コーエーテクモが決算の場で明かした「次の一手」

コーエーテクモホールディングスは2026年7月27日、2027年3月期第1四半期の決算説明会資料を公開した。質疑応答では「第4次中期経営計画のパイプラインはどうなっているか」という問いに対し、期間中に複数の新作を用意していること、開発体制の拡充を背景にポートフォリオ全体のバランスを重視しながら質・量両面での成長を目指す方針であることを明らかにした。

決算というと数字の話ばかりに聞こえるかもしれないが、今回の資料には今後の開発ラインナップを占ううえで見逃せない情報が並んでいる。

大黒柱に据える2本、『Wo Long 2: Wings of Ember』と『進撃の巨人3』

資料では、公表済みパイプラインのうち大型タイトルとして『Wo Long 2: Wings of Ember』と『進撃の巨人3』の名前が挙げられた。両作とも開発・販売はコーエーテクモゲームスが担う。

『進撃の巨人3』は発売時期が「今冬」、対応プラットフォームはPS5・Nintendo Switch 2・Xbox Series X|S・Windows(Steam)とされている。一方の『Wo Long 2: Wings of Ember』は「2027年初頭」の発売で、対応プラットフォームはPS5・Nintendo Switch 2・Xbox Series X|S・Xbox Game Pass・Windows(Steam)と、Xbox Game Passでの提供も含まれる点が目を引く。

炎に包まれた戦場を駆ける剣士の姿が象徴するように、『Wo Long 2』は前作の死にゲー的な手応えを受け継ぐダーク三國アクションとして展開される見込みだ。会社としても、この2本を当面の開発ラインの大黒柱と位置づけている構図が今回の資料から読み取れる。

大型11本、ミドル0本、そして「未発表タイトル複数」

資料が示すFY26以降(公表済み)のコンソール・PC向け新作タイトル数は、大型11本、ミドルクラス0本、オンライン・モバイル(許諾)2本。これに加えて「FY27までの未発表タイトル複数」を投入予定としており、大型2本以外にも相当数のプロジェクトが水面下で進行していることになる。

炎をまとった敵が牙を剥くようなビジュアルからもうかがえる通り、大型タイトルの世界観づくりには相応の作り込みが求められる。会社側が「複数の新作を用意している」と語った背景には、こうした開発規模の拡大があるとみてよさそうだ。

開発体制拡充を支える3カ年1,100億円超の投資

パイプラインの拡大を裏付けるのが、第4次中期経営計画で掲げる3カ年成長投資1,100億円以上という数字だ。資料によれば、この投資の大半は人的資本投資、つまり人件費や職場環境整備に充てられる計画だという。2026年6月末時点のグループ従業員数は3,015人。開発力の源泉である「人」への投資を軸に据えている姿勢がうかがえる。

長期ビジョンとして掲げる「世界トップ10入り」に向け、コーエーテクモは2025〜27年度の第4次中期経営計画を、次の成長に向けた「基盤づくり」の期間と位置づけている。

業績は増収減益の見通し、地固めの一年に

肝心の業績予想については、2027年3月期(FY26)が売上高900億円(前期比1.8%増)、営業利益320億円(同13.9%減)と、増収減益を見込む。第4次中期経営計画全体では3カ年累計営業利益100億円超、単年営業利益400億円を目標に掲げており、今期はその過程にある投資先行の一年という位置づけだ。

前期にあたる2026年3月期(FY25)は売上高883億9300万円、営業利益371億6800万円で過去最高益を更新しており、その勢いを保ったまま次の柱を育てられるかが今後の焦点になる。荒廃した戦場を描くこの一枚の風景のように、足場を固め直す時期を経て、『Wo Long 2』『進撃の巨人3』という2本の大型タイトルがどう芽吹くのか。続報を待ちたい。

編集部