“ゾーン”の中心を目指す者たちを追う前日譚
2008年8月22日、ウクライナのGSC Game Worldが開発した『S.T.A.L.K.E.R. Clear Sky』が発売された。本作はFPSにサバイバルホラーとRPGの要素を組み合わせた作品で、物語上は『S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl』より前の出来事を描く。危険と異常現象に満ちたチェルノブイリ立入禁止区域、通称“ゾーン”を探索するゲームだ。
プレイヤーが操作するのは、傭兵のスカー。チェルノブイリ原子力発電所を取り巻く禁断の土地、その中心へ到達しようとするストーカーたちを止める任務を負う。前作と共通する地域を多く収録する一方、放棄された町リマンスクなどの新エリアも登場。荒廃した土地を進みながら戦い、生き延びる緊張感が物語と探索を結び付けていた。

派閥戦争と装備改造が広げた“ゾーン”の遊び
本作がシリーズへ持ち込んだ大きな新要素が、武器とアーマーのカスタマイズ、そして派閥戦争への参加だった。プレイヤーは装備を自分の戦い方に合わせて調整できるだけでなく、ゾーン内で対立する勢力同士の争いにも関与する。個人として危険地帯を探索するだけでなく、勢力の衝突へ踏み込む遊びが加わった。
描画を担うX-Ray 1.5 Engineも刷新された。ボリューメトリックライトや動的な煙と炎、濡れた表面、水、被写界深度、SSAO、DirectX 10などに対応し、昼夜の変化と天候表現も改善。その一方で、前作と同じ最低システム要件を維持し、古いDirectX 8対応ハードウェアでも動作する拡張性を備えていた。表現の強化と幅広いPC環境への対応を両立させようとしたエンジンだった。
当時の批評は、Metacriticで「概ね好意的」とまとめられたものの、『Shadow of Chernobyl』ほどの評価には届かなかった。英国のゲーム誌『Edge』は、PCゲームの最良と最悪を特別なものへ変えていると評している。長所だけでなく短所も含めて強い個性として受け止められた作品だった。その後、2009年には『Shadow of Chernobyl』の続編『S.T.A.L.K.E.R.: Call of Pripyat』が発売され、シリーズはさらに続いていく。

いま遊べるのか
当時の対応機種については、今回の資料に記録がない。現在はWindows版をSteamで購入でき、価格は2,690円。ストアでは22,539件のレビューが寄せられ、好評率は85%となっている。Steamストアで販売中だ。
当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。






