玩具の増益254億円、会社全体の増益173億円
バンダイナムコホールディングスの2027年3月期・第1四半期(2026年4〜6月)。**トイホビー事業の利益が285億円から539億円へ、254億円増えた。**資料はこの四半期を「過去最高業績」と書いている。
同じ四半期、会社全体の営業利益は519億円から692億円。増えた分は173億円だ。
**玩具ひとつの増益が、会社全体の増益より大きい。**他の事業が引いた分を飲み込んで、なお会社を押し上げた。売上高も1,468億円から1,927億円へ459億円増。
この539億円には米国追加関税の還付金が約35億円入っている。引いても増益は219億円。それでも全社の173億円を超える。
伸びたのは1商品じゃない。棚ぜんぶだ
好調カテゴリーは、ガンプラや一番くじなどのハイターゲット商品、トレーディングカードゲーム、カプセルトイ、菓子、ステーショナリー。**5つが横並びで伸びた。**IP別もガンダムシリーズ、「DRAGON BALL」シリーズ、「ONE PIECE」、そして「たまごっち」。
**棚そのものも増やしている。**7月に新カテゴリー「BANDAI TABLETOP GAMES」の第1弾「プラコロ」を発売して好調な出足。海外人気の高いNARUTOのカードゲームも発売決定。11月に30周年を迎える「たまごっち」は世界15都市をめぐるツアー中だ。
1本のヒットで跳ねた数字ではない。面が広がった数字だ。
編集部の見立て:会社もこれを一発屋と見ていない
ここからは編集部の見方だ。
254億円が一時的な跳ねなら、計画は触らない。ところが会社は**上期のトイホビーの利益見込みを、年初計画の660億円から950億円へ290億円引き上げた。**全社の上方修正は400億円。その7割超がトイホビー由来だ。
理由は伸び方の形にある。同じIPで毎月新商品が出て、しかも**棚そのものを増やせる。**カードゲームを1つ立ち上げれば、そのあとは新しい弾が定期的に出続ける。今回の新カテゴリー立ち上げも、発売が決まったNARUTOのカードゲームも、来年以降の底を上げる仕込みだ。積んだ棚の数が、そのまま翌年の底になる。
ただし、この勢いのままではない。会社は第2四半期の利益見込みを411億円と、第1四半期の539億円より低く置いている。売上は2,073億円へ増えるのに、利益は下がる。理由は新規IP・新規カテゴリーの立ち上げ、国内外の大型イベント出展、カードゲームの周年プロモーションによる広告宣伝費の増加と、原価上昇。棚を増やす費用が、先に出る四半期になる。
それでも、玩具ひとつで会社全体の増益を超えたという事実は動かない。ガンダムも、ドラゴンボールも、ワンピースも、たまごっちも、この四半期に伸びたのは棚の側だった。この会社の次の成長は、棚をいくつ増やせるかで決まるのかもしれない。
出典: バンダイナムコHDが公開した決算説明資料(IRページ)。数値・スライド画像は同資料に基づく。
本記事はバンダイナムコHDが公開した決算説明資料を基に、公開情報を要約・整理したものです。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。文責:山口修平(Quest Board編集責任者)。





