遺伝子を継ぐ魚たちの箱庭、『FishPond』がSteamに解き放たれた

インディー開発者Evan Guthrie氏による育成シム『FishPond』が、2026年7月5日にSteamでリリースされた。価格は¥450(通常¥530、7月19日までの導入価格として15%オフ)。ジャンルはカジュアル・インディー・シミュレーションで、日本語表示にも対応する。対応環境はWindows 10/11のほか、Ubuntu 20.04 LTSおよびSteamOSも含まれ、Steam Deckでのプレイも見込める設計だ。

タイトルが示す通り、舞台は自分だけの一つの池。そこに棲む魚を増やし、交配させ、環境を整えていく箱庭ゲームである。

Evan Guthrie

Evan Guthrie

『FishPond』の開発とパブリッシングを一手に担う、インディークリエイター。

12個の遺伝形質が生む、水槽の中の千差万別

本作最大の特徴は、すべての魚が12個の遺伝形質から成る固有のゲノムを持つという点だ。親から子へ形質が受け継がれる過程では突然変異も発生し、思いがけない個体が生まれることもある。画面では2匹の魚がハートを浮かべて寄り添う様子も見られ、繁殖によって次の世代へとつながっていく生態系の一端がうかがえる。

「Genetic Splicer and Sampler」という設備を使えば、狙った特性を持つ個体を選んで交配させることも可能。用意された6種の魚を掛け合わせていく中で、50種類以上ものバリアントを発見できるという。単なる観賞ではなく、遺伝子そのものをコレクションしていく感覚に近い。

酸素と空腹のバランスを取りながら、池を育てていく

池の管理には「Harmony(調和)」という数値が関わってくる。酸素量や魚たちの空腹度をうまくバランスさせることでこの数値が上向き、収益や報酬が伸びていく仕組みだ。実際の画面でも、Harmonyや所持金、時間倍率と並んで「報酬が上昇した」という通知が表示されており、生態系の状態がそのまま経営に直結していることが分かる。

池は最大で開始時の7倍まで拡張可能で、大型の生け簀を設置すればより多くの魚を養える。画面には魚を囲う「Large Fish Pen」の設置・撤去画面も確認でき、区画を組み替えながら池全体をレイアウトしていく建築的な楽しみ方もありそうだ。魚が増えて群れをなすほどに、ポンドの個体数に応じたリアルタイム生成の音楽が変化していく仕掛けも用意されている。手が回らない時は自動で働く「Fisherman(漁師)」機能に任せることもでき、時間の流れ自体も0.1倍から3.0倍まで調整できる。

時には闘わせて力を試す、アリーナという一面も

育てるだけでなく、育てた魚の力を試す場面もあるようだ。画面には「Arena Battle」と題された対戦画面が映り、クロウフィッシュの「Finqua」とトラウトの「Trout Charger」がHP・ダメージ・速度・射程・ガード・回避率といったステータスを競い合っている。「Surge(加速)」「Brace(防御)」「Retreat(退避)」といった選択肢も並んでおり、遺伝によって決まった個体の能力が、そのまま対戦の勝敗を左右する仕組みになっているとみられる。交配で理想の形質を追い求める楽しみと、その成果を試す楽しみが両立している点は本作らしい設計といえそうだ。

沈んだ宝箱まで作り込まれた、ひとつの生態系

浮草の根が水中に伸び、朽ちた流木に魚が寄り添い、小魚の群れが岩陰を漂う――池の中の風景づくりにも力が入っている。水底には古びた宝箱とランタンが沈められた一画もあり、単なる数値管理にとどまらない、眺めて楽しい水景も本作の魅力の一つになっている。

『FishPond』は現在Steamで配信中。詳細や開発の様子は公式サイト公式YouTubeチャンネル公式Facebookページでも発信されている。自分だけの遺伝子図鑑を育ててみたい人は、導入価格が続く今のうちにSteamストアページをのぞいてみてほしい。