1891年ロンドン、奇術師の館で幕が上がる

一人称ホラーアドベンチャー『FINIS ACTUS』がSteamでリリースされた。開発・パブリッシングはShepherdWorks。2026年6月5日に早期アクセスを開始し、およそ1ヶ月後の2026年7月5日に正式リリースを迎えている。価格は¥900、ジャンルはアクション・アドベンチャー・インディーに分類される。

舞台は1891年のロンドン。名の知れた奇術師の館では、現実と狂気を隔てていたはずの境界が崩れ、知性に自信を持つ者たちがこの廊下で次々と姿を消していったという。幕が完全に下りる前に、プレイヤーは幻影の向こう側を見通せるのか、それともこの悲劇に呑まれる一人になるのか――そんな一人称視点の探索ホラーだ。

銃を手に足を踏み入れる、無人の劇場

館の中心にあるのは、客のいない古い劇場。舞台にはスポットライトが落ち、赤い座席がずらりと並ぶ客席には人影ひとつない。プレイヤーは拳銃を構えたまま、静まり返った通路を進んでいくことになる。派手な戦闘を主体にした作品ではなく、緊張感を保ったまま探索する構成のようで、いつ何が起きてもおかしくない空気が画面全体から伝わってくる。

ShepherdWorks

ShepherdWorks

ShepherdWorksは『FINIS ACTUS』を手掛けたインディーデベロッパー兼パブリッシャー。同名義でYouTube・Instagram・TikTokを運営し、開発の様子や作品の世界観を発信している。

邸宅に残された、狂気の痕跡をたどる

赤く沈んだ光に照らされた一室には、絵画や壺、重厚な戸棚が並ぶ。奇術師の私邸らしい調度品の一つひとつが、何が起きたのかを静かに物語る舞台装置になっている。

手にしたランタンだけを頼りに進む探索は、本作を象徴する場面のひとつだ。積み上げられた本、古い電話機、蓄音機、机に置かれた封筒――ランタンの灯りが届く範囲でしか見えないこれらの品々が、環境ストーリーテリングとして館の過去を浮かび上がらせる。ビクトリア朝の重厚な内装と相まって、心理的な圧迫感を丁寧に積み上げていく作りだ。

闇の奥から、こちらを見返す者

そして館には、明らかに人ならざる者もいる。血の気の失せた顔と虚ろな瞳でこちらに銃口を向ける人影は、本作が単なる屋敷探索にとどまらないことを示している。現実と狂気の境界が崩れた場所で、プレイヤー自身も観察される側に回る瞬間があるというわけだ。

幻想を解く鍵は、時計の針にある

振り子時計とレンガの壁に囲まれた薄暗い書斎。机の上に積まれた本や小箱からも、館の主が何かを記録し、隠していたことがうかがえる。

その先で待つのが、赤・青・黄の文字盤を持つ3つの時計仕掛けの謎だ。それぞれの針が指す数字を読み解く複雑なパズルが、本作の「複雑なパズル」という特徴を象徴している。ビクトリア朝の雰囲気と環境ストーリーテリング、心理的な緊張感、そしてこうした謎解きが組み合わさって、館全体を巡る一本のホラー体験を形づくっている。

対応言語と購入情報

本作は英語やフランス語、ドイツ語のほか日本語を含む10言語のインターフェース・字幕・音声に対応しており、日本のプレイヤーもそのまま楽しめる。対応OSはWindows 10(64ビット)。記事執筆時点でのユーザーレビューは11件で「賛否両論」(63%が好評)となっている。

開発元ShepherdWorksの最新情報は、公式YouTubeInstagramTikTokでも発信されている。気になった人はSteamストアページでスクリーンショットや対応言語の詳細を確認してみてほしい。