終わらない雨の部屋で、電話が鳴り続ける

心理ホラー『The Last Tale Told: Spam』がSteamで配信を開始した。開発・パブリッシングはZignus。本作は、実際に人の人生を大きく揺さぶった体験談を集めたという心理ホラーアンソロジー「The Last Tale Told」シリーズの一編にあたる。

物語の主人公は一人暮らしの在宅ワーカー。終わらない雨に閉じ込められ、何日も外に出ていない。そんな毎日に、決まって知らない番号から電話がかかってくる。着信画面には「詐欺の可能性あり」の文字。最初はただの迷惑電話だと思っていたはずが、その呼び出し音が次第に不穏な出来事の引き金になっていく。

暗闇の中、スマホの明かりだけを頼りに部屋を歩く

本作の大きな特徴は、VHS・CRT風のフィルターがかかった映像表現と、物理演算を伴う環境インタラクションだ。プレイヤーは真っ暗な自宅の中を、スマホのフラッシュライトアプリの明かりだけを頼りに進んでいく。何気ない自室が、光の届かない一角ごとに得体の知れない緊張感を帯びていく作りだ。

劇中のパソコンに映る、「仕事」と「息抜き」のふたつの顔

劇中パソコンのWork画面
「Work」画面。在宅で書きかけのコードが表示される
劇中パソコンのGame画面
「Game」画面。息抜き用らしきレトロなミニゲームが動く

主人公のデスクにあるパソコンには、「Work」と「Game」という2つのウィンドウが開いている。「Work」にはサーバーの初期化やクライアントデータベースの読み込みらしきコードが表示され、在宅ワーカーとしての日常がうかがえる一方、「Game」にはレトロな見た目の簡素なアクションゲームが動いている。仕事の合間の息抜きなのか、それとも――という含みを感じさせる一角だ。

古いテレビのノイズと、ピザ配達のミニゲーム

リビングらしき部屋のテレビには、砂嵐混じりの不鮮明な映像が映し出される。何が映っているのか判然としないまま流れ続ける映像は、VHSホラーらしい薄気味悪さを漂わせる。

本作にはこのほか、テーブルの上で行われる「Pizza Pizza Faster Pizza」と題されたピザ配達のミニゲームも収録されている。日常の一場面を切り取ったような食卓の光景も、物語の中では意味を持って配置されているようだ。

Zignus

Zignus

開発: Zignus

発売情報――エンディングは2種類、実績は10個

『The Last Tale Told: Spam』は現在、Steamにて価格¥711(通常価格¥790、7月13日までの期間限定10%オフ)で配信中。対応言語は日本語を含む9言語、対応OSはWindows 10/11で、推奨メモリは8GB。物語の結末は2種類用意されており、実績は全10個。

開発元Zignusの公式サイトや、Steamストアページでは、シリーズの他作品や続報も確認できる。雨の夜に鳴る一本の電話から始まる、静かで不穏な物語に触れてみてほしい。