蛾の一生をそっと見つめる、新作カジュアル観察ゲーム『Mothkeep』

『Mothkeep』がSteamでリリースされた(発売日:2026年7月10日)。価格は¥655。開発・パブリッシングは個人開発者のIvette Schmidt。
舞台は穏やかな自然保護区。プレイヤーは捕まえるのではなく、ただ観察し、図鑑を1ページずつ埋めていく――そんな静かなコンセプトの短編ゲームだ。プレイ時間の目安は1〜2時間、対応言語は日本語を含む7言語(インターフェース・音声・字幕)となっている。
Ivette Schmidt
開発: Ivette Schmidt
光る輪にそっと近づき、蛾の姿を写し取る

観察の基本となるのは、蛾に近づいて「TRY TO TAKE A GOOD LOOK!(よく観察しよう)」の表示とともに現れる同心円のアイコン。輪の中心に狙いを合わせることで、蛾の姿を丁寧に記録していく仕組みだ。捕獲や採集ではなく、あくまで“よく見る”ことが目的というのが本作らしいところ。
桜咲く道の先には、幼虫から成虫まで様々な姿が

保護区には、桜のような花木や苔むした倒木が茂る森が広がる。木の幹にとまる蛾、地面を這う幼虫、切り株の上のさなぎなど、同じ場所でもライフステージの異なる個体が同時に見つかるのが特徴で、じっくり歩き回るほど発見が増えていく作りになっている。
集めた植物は、保護区のショップで取引できる

探索で見つけた植物や道具は、店番の猫が座るカウンターで売買できるようだ。画面には「コモン・レストハロー(Ononis repens)」の情報カードも表示されており、根を水に浸すとリコリス風味の飲み物になること、この植物が「Yellow Shell」という蛾を引き寄せることまで記されている。植物そのものだけでなく、それが呼び寄せる生き物とセットで紹介される点が、本作の図鑑愛らしさを物語っている。
図鑑には、集めたアイテムと蛾の生態がぎっしり

所持アイテムは一覧グリッドで管理され、選択した植物の詳細を右側のページで確認できる。「マーシュ・シッスル(Cirsium palustre)」のカードには「触ると痛い、棘だらけ」という注意書きとともに、この植物が「Six-spot Burnet」や「Purple Tiger」といった蛾を引き寄せることが記載されている。アイテムは売る・移動する・設置するの3択で扱え、集めた植物を保護区内に配置して蛾をおびき寄せることもできそうだ。
蛾は保護区の外、生活のすぐそばにも潜んでいる

観察の舞台は屋外の保護区だけではない。台所の粉袋のそばで「Discovered Imago stage of Mill Moth!(ミールモスの成虫を発見)」という表示とともに主人公が驚いた表情を見せる場面もあり、蛾が自宅の中、それも小麦粉の袋という身近な場所にも潜んでいることを教えてくれる。
卵から成虫まで、ひとつの命の記録

見開きの図鑑ページでは「ミールモス(Ephestia kuehniella)」の卵・幼虫・さなぎ・成虫という4つの段階がそれぞれイラストと解説付きで並ぶ。「卵は30℃なら96時間で孵化する」「幼虫は6回の脱皮を経る」「メスは何も食べずとも産卵できる」など、実在の蛾の生態に基づいたであろう豆知識が添えられており、発見のたびに一つの命の物語が編まれていく構成になっている。
保護区の道を歩けば、次の発見が待っている

「Approach the moth!(蛾に近づこう)」の表示とともに草むらの奥に佇む一匹に照準を合わせる場面。桜と青空を背景にしたこの一枚は、探索と観察を繰り返しながら図鑑を埋めていく本作のループを象徴している。
『Mothkeep』は現在Steamで配信中。開発者のIvette Schmidtは公式サイトや公式Discordでも情報を発信している。派手さはないが、身近な生き物にそっと目を向けたくなる一本として、気になる人はウィッシュリストに加えておきたい。



