祝福された帝国の重責を、王太子として背負う

ひび割れた鏡のようなキーアートが印象的な選択制ナラティブRPG『The Life and Suffering of Prince Jerian』がSteamで発売された。開発はSchisma Games、パブリッシングは101XPが手がける。価格は¥2,677(通常¥3,150からの発売記念値引き)で、日本語はインターフェース・字幕・フルボイスすべてに対応している。
プレイヤーが演じるのは、祝福されたアルクニア帝国の王太子ジェリアン。舞台となるのは、厳格な法と身分制度が社会を縛るダークファンタジーの世界だ。本作は前作『The Life and Suffering of Sir Brante』と同じ帝国を舞台にしながら、新たな物語と、一国を統べる統治者としての新しいゲームシステムを導入している。
紹介動画
一冊の書物をめくるように進む、選択と代償の物語

物語は古い書物を読み進めるような演出で語られる。「法は愛に優先する」と説く聖職者テレンティウス・オルグリフの言葉が示すように、本作の随所には帝国の宗教・法・血統をめぐる重いテーマが埋め込まれており、王太子として何を優先するかがそのまま物語の分岐に直結していく。

たとえば「教条主義の台頭」と題されたイベントでは、人間貴族から領地を取り上げるか、名家アルクニア人から取り上げるか、あるいは要求を突っぱねるかを選ぶことになる。選択の結果は右側に一覧表示され、旧信仰派・新信仰派の忠誠度や、帝国全体の「反乱」ゲージ、王太子個人の「法」と「愛」のパラメータまでもが数値でリアルタイムに変動する。一つの決断が信仰・貴族・民衆の力関係を確実に揺らしていく緊張感が、本作最大の見どころだ。
25歳の王太子ジェリアン・テンペスト2世

主人公は25歳のジェリアン・テンペスト2世。ロジック・意志・愛からなる性格パラメータに加え、「サニティ(正気度)」と「テンペスト家の遺産」という2つのリソース、そして経営・外交・学問という3つのスキルを持つ。単なる選択肢の分岐だけでなく、こうしたステータスの成長そのものがロールプレイの一部になっている点は、ストーリーゲームと経営シミュレーションを掛け合わせたような本作らしい設計と言えるだろう。
進歩と伝統、平等と特権――帝国運営の綱引き


帝国運営パートでは、「進歩か伝統か」「平等か特権か」「法学か教条主義か」という3つの軸で帝国の方向性が可視化される。名家、名門アルクニア人、旧信仰派・新信仰派の聖職者、人間貴族、そして民衆――それぞれの身分(エステート)ごとに忠誠度が個別に管理され、テンペスト家の軍事力も数値として表示される。
「帝国評議会」の画面では、芸術科学協会の設立や貴族議会・司法評議会・宗教会議の運営など、複数の議題から取り組む案件を選べる。プレイヤーの判断ひとつで「進歩」や「平等」の数値が動き、帝国の性格そのものが少しずつ形作られていく仕組みだ。
宮廷に渦巻く陰謀と、血の記憶


物語には、テンペスト家の祖先の声が響く儀式的な場面や、王太子と親交を深めた貴族ガート・アークライトが何者かに拉致される政治的な事件も描かれる。急進的な政治勢力による報復とみられるこの失踪事件のように、王太子個人の人間関係の選択が、宮廷内の陰謀や身分間の対立へと波及していく構成になっている。
Schisma Games
開発: Schisma Games / パブリッシャー: 101XP
発売中、日本語フルボイスにも対応
『The Life and Suffering of Prince Jerian』は現在Steamで発売中。複数のエンディングと高いリプレイ性を備えた選択制RPGで、対応OSはWindows 10以降となっている。最新情報は公式Xや公式Discord、公式VKで発信されている。気になった人はまずSteamストアページで詳細をチェックしてみてほしい。




