孤島に墜ちた「謎の天体」、6人の調査員はもう戻れない

シュールな悪夢アドベンチャー『稗: The Dream Of A Cockspur(ヒエ ザ ドリーム オブ ア コクスパー)』が、Steamにてリリースされた。開発は個人開発者roccay、パブリッシングはPLAYISMが担当する。
物語の舞台は、謎の天体が墜落した孤島。6人の研究者がその物体を調べるため島に集まり、2週間の調査を進めていたが、帰るための唯一の手段だった船が損傷し、島からの脱出手段を失ってしまう。何者かが妨害しているのか、それとも島そのものが人間を拒んでいるのか──先の見えない不穏な状況が、プレイヤーを待ち受ける。
焚き火のそばで、人ではない何かと向き合う

海辺の焚き火のそばで丸太に腰掛ける調査員のエヴァン。その傍らには、無数の棘に覆われた黒い球体に一つ目だけが浮かぶ、明らかに異形の存在が佇んでいる。会話や独白のログを積み重ねながら状況を把握していく作りは、テキストと静止画で語る本作らしい進め方だ。同じ出来事が微妙に食い違う形で繰り返し語られる場面もあり、記憶の混乱か、あるいは何者かによる改変か──プレイヤー自身が真偽を疑いながら読み解いていく構成になっている。
粘土細工のような質感で描かれる、告知トレーラー
紹介動画
公開されている告知トレーラーでは、シュールレアリスムの絵画やストップモーションアニメーション、石膏オブジェから着想を得たというroccay独自のビジュアルスタイルを確認できる。血のように赤く染まった質感のクローズアップ映像は、まるで生々しい傷口や粘土の塊を間近で見ているかのような不快感と美しさを同居させており、本作の空気感を端的に物語っている。

布と道具を組み合わせる、ポイント&クリックの手作業パズル

作業台には裁断された布切れやマーカー、スプレー缶らしき道具が並び、手持ちの素材を組み合わせて何かを作り上げるクラフト要素がうかがえる。Steamのタグにも記載された「Point & Click」パズルは、こうした手作業の積み重ねで謎を解いていくスタイルのようだ。
唯一の癒し、セラピー犬「ヌンヌム」との道のり

PLAYISM公式によれば、本作にはセラピー犬「ヌンヌム」が登場し、島に取り残された調査員たちの心を支える存在として描かれるという。森の小道をとぼとぼ歩く後ろ姿は、どこか継ぎ接ぎされたぬいぐるみのようないびつな造形で、可愛らしさと不穏さが同居する本作のトーンをよく表している。読書好きの主人公と多数の書物が登場する点も特徴のひとつで、探索の合間に積み重ねられる小さな物語も見どころになりそうだ。
空に浮かぶ「目」と、書き換わり続ける記憶の断片

荒れ地に打ち捨てられた段ボール箱の上空を、細長い一つ目の物体が滑るように漂う。「彼は一人でわめき散らすことの愚かさに気づいたのか、怒りと苛立ちで顔を引きつらせた。」というテキストログが添えられ、誰かの記憶や記録を追体験しているような構成になっている。ジャンルタグにも並ぶ「Lovecraftian」「Mystery」の名の通り、島に眠る真実がどこまで明かされるのかは、実際にプレイして確かめたいところだ。
複数のエンディングに散らばる、不穏な断片たち

プールに沈む立方体の彫像、無数の穴が空いた通気口、そして「WE NEED ANOTHER KID!(もう一人子どもが必要だ!)」と叫ぶ人物の描かれたコマ割り──断片的なイメージが積み重なる本作は、Steamのタグに「Multiple Endings」とある通り、選択や発見によって結末が分岐する仕組みも備えている。ひとつの答えに収束しない不穏な物語が、何周ものプレイを誘う作りになっているようだ。
発売日・価格・購入情報
『稗: The Dream Of A Cockspur』は2026年7月22日、Steamにてリリース。対応言語は日本語・英語・簡体字中国語・繁体字中国語で、日本語表示にも対応する。価格は通常790円のところ、発売記念セールとして711円(2週間限定の10%オフ)で配信中。最新情報はPLAYISM公式サイトやPLAYISM公式Xでも告知される予定だ。気になった人はSteamストアページから詳細を確認しておきたい。
roccay
分子細胞生物学・病理学を専攻していた経歴を持つ個人開発者roccayによる、初の長編デビュー作。粘土のストップモーションアニメーションや石膏オブジェから着想を得たという独特のビジュアルを手がけた。発売元は<a href="https://playism.com/game/the-dream-of-a-cockspur/" target="_blank" rel="noopener">PLAYISM</a>。





