タイトルだけでは測れない、女子高生ふたりの一日

個人開発者のlvl374氏が、新作ビジュアルノベル『彼女は知らない(She Doesn’t Know)』のSteamストアページを公開した。開発・配信もlvl374氏自身が手がける一人体制の作品で、ストアページは記事執筆時点(2026年8月24日)で「近日公開」表記となっている。
舞台は1999年の日本。高校2年生のハルカと、幼馴染にして恋人であるシホ、ふたりが過ごすたった一日を描く物語だ。会話の話題はアルバイトや学校の成績といった身近なものから、身体の変化、進路選択、家庭問題、幸せ、性的な感情、実現できそうにない夢、そして死まで多岐にわたるとされ、軽度のいじめ・暴力・自殺に関する描写を含む旨の警告表示もストアページに掲げられている。ビジュアルは全編1bitピクセルアートで統一されている。
電車の中の、なんでもない時間

夕暮れの車窓を背に、イヤホンを分け合いながら並んで座るふたり。スクリーンショットの一枚には、そんな電車内の一場面が切り取られている。1bitという白と黒だけの制約の中で、窓の外を流れる街並みや電柱の影までを丁寧に描き込む画面づくりからは、何気ない移動時間さえも作品の空気を伝える一場面として扱われていることがうかがえる。

座席に投げ出された膝と、通路を歩く足元だけを切り取ったカットも公開されている。会話や表情ではなく脚のシルエットだけで「そこに誰かがいる気配」を伝える構図で、派手さのない日常の中にこそ視線を止めさせる、本作らしい見せ方のひとつだ。
校舎の時計塔の下、ふたりの距離感

放課後の校舎を思わせる時計塔のカットに続いて公開されているのが、ふたりが向き合う会話シーンだ。

「部室で待ってればよかったのに」――見下ろすように言葉を投げるひとりと、それを見上げる相手。台詞のやり取りだけで距離感や関係性がにじむ、ビジュアルノベルらしい一場面といえる。ハルカとシホ、ふたりの立場や温度差が会話劇の中でどう描かれていくのかは、製品版で確かめたいところだ。
“ゆるさ”の奥にある不穏さ

柵に大きく身を預けるように傾いた、ドラマチックな一枚。「ハルちゃんがいるのに行くわけないじゃん」という台詞とともに描かれるこの構図は、青春ものの穏やかな空気とは一線を画す緊張感をまとっている。ストアページに記載された「いじめ・暴力・自殺」への言及とも重なる部分であり、本作が単なるほのぼの日常劇ではないことを象徴する場面のひとつだ。
対応言語は英語・簡体字中国語・繁体字中国語・日本語で、日本語テキストは現時点では機械翻訳によるものとされ、今後の調整が予定されている。発売日は「近日公開」以上の詳細がまだなく、価格も未公開。2026年10月に開催されるSteam Nextフェスにはデモ版を出展予定で、そこでプレイアブル版に触れられる見込みだ。
lvl374氏は、夢の中の一角を歩く一人称視点のドリームシミュレーター『NIDANA』(2025年7月28日発売)や、死後の世界に向かう前の案内所を舞台にした短編アドベンチャー『halfmoon』(2026年5月21日発売)を手がけてきた開発者で、いずれもSteamユーザーレビューで「非常に好評」の評価を獲得している。続報やビジュアルの追加はlvl374氏の公式Xでも発信される見込みで、気になる人はストアページのウィッシュリスト登録とあわせてチェックしておきたい。
編集部




