愛する祖母は、真実を隠す語り手でもある

『Grandma(88)』(Steamストアより)

ドイツのスタジオROTxBLAUは、手描きのミステリースリラーアドベンチャー『Grandma(88)』を2026年にSteamでリリースする。開発と販売はROTxBLAUが担当し、Steamストアページではウィッシュリストに登録できる。

主人公は、死を目前にした祖母を訪ねる若い孫娘だ。家族が長く伏せてきた過去を知るため、祖母が語る記憶の中を探索する。しかし、祖母は単なる案内役ではない。物語の語り手であると同時に、真実を遠ざける敵にも、ときには手を貸す味方にもなるという。

本作はシングルプレイに対応し、対応言語は英語とドイツ語。詳しい作品背景はROTxBLAUの公式作品ページでも紹介されている。

矛盾を指摘するたび、記憶の風景が形を変える

『Grandma(88)』(Steamストアより)

『Grandma(88)』の軸となるのは、プレイヤーと語り手が対峙する構造だ。祖母の話に異議を唱えると、空間や登場人物、オブジェクトが変化し、それまで見えなかった事実が浮かぶ一方、別の手掛かりが覆い隠されることもある。

物語はプレイヤーの判断に応じて展開が変わる非線形形式を採用。祖母の記憶を探索し、パズルを解きながら、どの言葉を受け入れ、どの矛盾を追及するかを選んでいく。

ここで重要になるのが、祖母との信頼関係だ。強く問い詰めすぎれば祖母が怒り、それ以上語ることを拒む可能性がある。反対に、関係を壊さないよう慎重になりすぎると、祖母が見せる物語の表層から抜け出せない。真実へ近づく行為そのものが、大切な家族との距離を変えてしまう仕組みになっている。

家族の沈黙を、探索と選択の仕組みに落とし込む

『Grandma(88)』(Steamストアより)

本作が扱うのは、ナチス時代や犯罪への関与について、家族の中で語られずにきた過去だ。恐怖の中心には怪物ではなく、身近な人が口を閉ざすことや、世代を越えて受け継がれる家族の物語が置かれている。

企画の原型は、Stiftung Digitale Spielekulturによる「Erinnern mit Games」のPitch-Jamで生まれた。物語の開発にあたってROTxBLAUは、ナチス時代について各家庭でどのように語られているかを公募。50件を超える体験談や記憶が寄せられたという。募集から得られた内容については、同スタジオの振り返りページで確認できる。

家族の秘密という重い題材を、背景設定だけでなく、変化する空間や信頼を巡る判断へ結び付けている点が本作の特徴となる。どこまで追及すれば真実に届くのか、そして、その過程で祖母との関係はどう変わるのか。具体的な発売日など、今後の続報にも注目したい。