日本人スタッフのいないチームが、なぜ「日本らしさ」を作れたのか

日本を舞台にしたオープンワールドドライビングゲーム『Forza Horizon 6』。その「日本らしさ」がどのように作り込まれたのかを開発陣自身が語るセッションが、CEDEC2026(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 CESA)で開催された。

セッションタイトルは「『日本らしさ』の作り方――Forza Horizon 6における文化監修の実践」。開催日時は2026年7月22日(水)13:40〜14:40(60分)、会場はCEDEC2026の第3会場。登壇したのは、本作で文化アドバイザー(Cultural Consultant)を務めた山下恭子氏だ。

桜の散り方から検証する、現地取材と細部へのこだわり

『Forza Horizon 6』はPlayground Gamesが開発し、2026年5月19日に発売されたシリーズ初の日本を舞台とする作品だ。イギリスのスタジオが手がける以上、現地の空気感をどう画面に落とし込むかは大きな課題だったといえる。そこで文化顧問として開発チームに伴走したのが山下氏だった。

紹介動画

山下氏の経歴はXbox Wire Japan(Microsoft公式)が2026年6月15日に公開したインタビュー記事で紹介されている。ロサンゼルス生まれで東京で中高時代を過ごしたバイカルチュラルな背景を持ち、ゲーム業界でのキャリアは25年以上、初めて携わったタイトルは『FINAL FANTASY VII』だという。同インタビューでは、桜の花びらが舞い散る様子や、海老名サービスエリアに根付くマスコット文化(カレーライス、枝豆、オムライスなど)を再現するエピソードも語られており、単なる見た目の再現にとどまらない監修の細やかさがうかがえる。

文化アドバイザーは「いつ」関わるべきか――現場からの実務論

今回のセッションでは、日本が舞台の本作開発において文化顧問として携わった実務経験が共有された。テーマとして掲げられたのは「文化アドバイザーの役割とは何か」「いつプロジェクトに関与すべきか」という問い。具体的な事例を交えながら、資料やリファレンスだけでは辿り着けない領域にどう向き合ったかが語られている。

対象読者として想定されていたのは、ゲーム開発の基本的な工程を理解している人、外国文化を題材にした作品づくりに関心がある人、そして文化的な真正性とステレオタイプの違いについて学びたい人。セッションのキーワード領域にはローカライズやストーリーテリングが挙げられており、単発の考証作業ではなく、開発プロセス全体に関わる継続的な仕事だったことがうかがえる。

セッション情報、そして聴講の手がかり

CEDEC2026はパシフィコ横浜ノースを会場に、2026年7月22日から24日までの3日間、オンラインとのハイブリッド形式で開催された。現地では登壇後に「Ask the speaker」と題した質疑応答の場も設けられていた。

日本人スタッフがひとりもいないチームが、2年半をかけて「日本らしさ」をどう積み上げていったのか。その実務の詳細は、今後CEDECの公式チャンネルなどでの続報を追いたいところだ。ゲーム本編はSteamストアページでも確認できる。

編集部