エディタの中に、もうひとつの戦国時代
Vim scriptだけで作られた戦国シミュレーション『戦国風雲録 〜Vimで天下統一〜』(通称:Vim長の野望)が公開され、話題を呼んでいる。開発者はminiraihack(齊藤貴義)氏で、個人開発によるVim/Neovim向けプラグインだ。ソースコードはGitHubリポジトリ「VimnaganoYabo」で公開されている。
本作最大の特徴は、外部ライブラリに一切頼らず、単一のVim scriptファイル(plugin/sengoku.vim)だけでゲームシステムを組み上げている点。動作にはVim 8.0以上、もしくはNeovimがあればよく、追加のプラグインやランタイムは必要ない。テキストエディタという普段は原稿やコードと向き合う道具の中に、まるごと一本のシミュレーションゲームが同居している格好だ。
舞台は桶狭間の年、256名の武将が動く
物語の起点は1560年、桶狭間の戦いが起きた年に設定されている。プレイヤーは全41カ国・32大名家の中から一家を選び、天下統一を目指す。武将は各家の当主1名に加え、実在の家臣7名を収録し、合計256名という規模だ。信長の野望・武将風雲録を思わせる骨太な仕様を、テキストベースの画面だけで再現している。
内政面では、朝廷への献金によって従五位下から関白まで官位を昇進させる仕組みや、堺・博多といった南蛮貿易の窓口で鉄砲・大筒を買い付けるシステムを搭載。さらに名物茶器を10点集めて文化度を高め、外交の駆け引きに活用する要素もあり、戦だけでなく内政・外交でも天下取りの戦略を練れる作りになっている。
攻城戦は30日勝負、領地運営は委任も可能
軍事面では、城を攻める籠城戦が専用マップで展開され、決着まで30日という期限が設けられている点も見どころだ。台風や一揆といったランダムイベントが発生するため、盤石に見える領国運営も一筋縄ではいかない。すべてを自分の手で管理するのが大変な場合は、領地運営を自動化する委任システムも用意されており、忙しい合間を縫ってプレイするスタイルにも対応する。
プレイ時に確認しておきたいのが画面サイズで、推奨は115桁×40行以上。マップ表示を崩さず遊ぶための最低ラインとして押さえておきたい。
Vim scriptだけでここまで作れるという驚き
こうした作り込みの深さが、Vim scriptだけで256名もの武将データと複数のゲームシステムを実装した意外性とあいまって、技術者やゲームファンの間で反響を呼んでいる。ITニュースサイトの「やじうまの杜」でも取り上げられ、話題が広がった。詳しい遊び方やコマンド一覧は、GitHubリポジトリ「VimnaganoYabo」のREADMEにまとまっている。普段使いのエディタに眠る戦国時代を、一度覗いてみたい人は覗いてみてほしい。
編集部





