台湾パブリッシャー経由の海外送金が、審査の末に「受取拒否」に

同人ゲーム開発者のぬぷ竜氏(にゅう工房)が、2026年8月4日にCi-enで『Steamの売上を銀行に受取拒否された話【デバンキング問題】』と題した投稿を公開し、Steamでの海外売上を国内銀行に受け取り拒否されたことを明らかにした。ぬぷ竜氏は同日、自身のXアカウント(@nupuryu)でもこの投稿を紹介している。

投稿によれば、Steamの成人向け審査を通過して販売しているゲームの海外売上を、台湾のパブリッシャー経由の外国送金で楽天銀行口座に受け取ろうとしたところ、銀行側から送金者との関係や取引内容が分かる資料の提出を求めるメールが届いた。ぬぷ竜氏は契約書などをFAXで提出したが、その2日後、銀行から入金を受け付けない旨の通知が届いたという。

拒否理由は明かされず、示唆されたのは「表現」への懸念

銀行側は明確な拒否理由を開示しなかったが、ぬぷ竜氏によれば「表現的に望ましくない物がある」という趣旨が示されたとしている。合法な取引であっても、金融機関側の判断ひとつで海外送金の受け取りそのものが断られてしまう――今回のケースは、その実例として語られている。

入金されないのに納税義務は残る、という構造的な問題

ぬぷ竜氏が特に問題視しているのが税務面だ。売上は国内銀行に振り込まれなかったにもかかわらず、税務上はすでに発生した「売上」として扱われるため、日本国内での納税義務は消えない。つまり、手元にお金が入らないまま税負担だけが生じる状況に置かれることになる。国内銀行が成人向けコンテンツ関連の海外送金を拒否する、いわゆる「デバンキング」問題は、これまでもクリエイターの間でたびたび懸念が示されてきたテーマであり、今回の件はその実態を具体的なやり取りとして示した形だ。

対象タイトルは非公表、報道の訂正が示す情報の少なさ

なお、この件を巡っては一部メディアが当初、受取拒否されたのはぬぷ竜氏の代表作『ヤリステメスブター』(Steam版タイトル『ヤリモノ』)の売上だと報じたが、後に対象は別のSteam向け成人ゲームだったと訂正されている。ぬぷ竜氏自身のCi-en投稿本文中でも、対象ゲームの具体的なタイトルは明かされていない。

ぬぷ竜氏は『ヤリステメスブター』の開発者として知られ、同作はDLsite歴代ランキングで首位を獲得し、2025年7月時点で20万本超の販売を発表している人気タイトルだ。だからこそ今回の一報は大きな注目を集めたが、現時点で確実なのは「Steam向け成人ゲームの売上が受け取り拒否された」という事実のみで、対象作品の特定や銀行側の詳しい判断基準については、続報を待つ必要がある。