減収減益ながら純利益は18.7%増、BOIが第3四半期決算を発表

株式会社バンク・オブ・イノベーション(証券コード4393)は2026年8月14日、2026年9月期第3四半期(2025年10月1日〜2026年6月30日)の連結決算短信を発表した。売上高は90億90百万円で前年同四半期比3.6%減、営業利益は15億52百万円で同5.6%減、経常利益は15億72百万円で同5.7%減となり、主要3指標はいずれも前年を下回る結果となった。
一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億8百万円と、前年同四半期比で18.7%の増加を記録している。前年同期(2025年9月期第3四半期)の実績は売上高94億27百万円、営業利益16億44百万円で、規模としてはやや縮小した形だ。
費用面では、開発・運営体制の強化に伴い売上原価が47億18百万円から51億35百万円に増加した一方、販売費及び一般管理費は30億64百万円から24億2百万円へと減少している。コスト構造の内訳が入れ替わったことが、営業利益・経常利益の減少と純利益の増加という、一見ねじれた結果につながっている。
「メメントモリWebストア」が6月15日に本格稼働、アプリ外決済へ移行

決算短信では、2026年6月15日に公開したメメントモリWebストアによるアプリ外決済サービスの本格開始が、今期の取り組みとして触れられている。同社の公式XでもWebストア公開が告知されており、ゲーム内通貨をアプリストアを介さずブラウザから購入できる仕組みが整った形だ。
アプリ外決済の利用比率が高まることで、アプリストア経由の決済と比べて決済手数料などのコストが低減する見込みだといい、同社は今後の営業利益率の改善に寄与するとの見通しを示している。今回の決算で開発・運営費が増加しつつ販管費が抑えられている背景には、この決済チャネルの移行も関係していそうだ。
主力タイトル『メメントモリ』、3.5周年施策でファンとの接点を強化

同社は、スマートフォンアプリ関連事業を単一セグメントとして展開しており、その主力タイトルがメメントモリだ。今期はサービス3.5周年にあわせた施策として、アートショップの開催やライブ映像の公開といった、ファンとの関係強化に向けた取り組みを実施したことが決算短信で明かされている。

美麗なビジュアルと重厚なストーリーを軸にしたRPGとしてサービスを継続してきた同作は、新キャラクターの実装やイベントを重ねながら、長期運営タイトルとしての厚みを増している。

こうした施策の積み重ねが、直接の収益指標だけでは見えにくいファンとの関係維持につながっている点も、今回の決算を読み解くうえでのポイントといえるだろう。
財務基盤は安定、通期業績予想は非開示のまま

総資産は82億78百万円で前期末比3億34百万円増、自己資本比率は82.4%と高水準を維持しており、財務基盤自体は安定している。代表取締役社長は樋口智裕氏が務める。
2026年9月期通期の連結業績予想については、業界変化の速さと機動的な投資判断を理由に、引き続き非開示としている。なお角川アスキー総合研究所の調べでは、2025年における世界のモバイルゲーム市場規模は12兆6,001億円、うち国内市場は1兆6,634億円とされており、同社はこうした変化の速い市場環境の中で、アプリ外決済の拡大や3.5周年施策といった手を打ちながら事業を進めている段階だ。次回以降の決算で、今回の施策がどう数字に表れてくるかが注目される。





