世界200万本を売り上げた新作、その舞台裏で起きていること

2026年7月9日に発売された『アサシン クリード ブラック フラッグ RE:シンクロ』が、発売初日で全世界200万本を売り上げるヒットとなった。カリブ海を舞台に海賊として生きる本作は、Steamストアページでも購入可能で、発売直後から大きな注目を集めている。だがその好調な売れ行きの裏側で、開発を担ったスタジオの一つ、Ubisoft Barcelonaでは今、大量レイオフとそれに抗議するストライキが同時進行している。
「その水中ステージ、私たちが作りました」――称賛への返信が明かしたもの

きっかけは、本作の水中探索を称賛する投稿への返信だった。Ubisoft Barcelonaでテック&ゲームプレイアニメーターを務めるManel Cota氏は、2026年7月13日にXに投稿し、「Ubisoft Barcelonaが水中ステージをすべて手掛けた。そして今まさに、そのチームが解雇されようとしている。Ubisoftはそれが我々にふさわしい扱いだと思っているからだ」と皮肉を交えて明かした。難破船やサンゴ礁を漂うように探索できる本作の水中パートは、プレイヤーからの評価が高かった要素の一つ。その裏で、作り手自身の雇用が失われつつあるという構図が、投稿を通じて浮き彫りになった。
陸の探索や砦攻略も、評価されたのは水中だけではない

Ubisoft Barcelonaが担ったのは水中探索やその関連テクノロジーの開発だが、本作で評価されているのは水中パートに限らない。見晴らしの良い高台からカリブ海の入り江や港を見渡す探索や、要塞を陥落させる攻城戦など、シリーズの持ち味である広大なオープンワールドの作り込みにも、プレイヤーから高い評価が寄せられている。

炎に包まれた砦を仲間とともに突破する場面や、甲板で仲間の海賊と言葉を交わす船上のひとときも、本作の魅力を支える要素だ。

こうした評価の高まりが、発売初日200万本という結果につながった。だからこそ、開発チームへのレイオフという知らせは、プレイヤーやスタッフの間に大きな驚きをもって受け止められている。
都市部でのステルス潜入も健在、その一方で進むレイオフ計画

物陰に隠れて敵の隙をうかがうステルス潜入も、シリーズならではの見どころとして健在だ。だが華やかなゲーム内容とは裏腹に、Ubisoft Barcelonaでは約51名、従業員の約28〜30%を対象としたレイオフ計画が進行しているという。
これに抗議し、スペインの労働組合CSVI(Coordinadora Sindical del Videojuego)は、2026年7月14日から16日にかけて3日間のストライキを実施した。ストライキ以前の2026年6月30日からも、部分的な抗議行動が続いていたという。CSVIは声明で「会社は我々に背を向けた。労働の成果を目にすることはなく、頑張った報酬は職を失うことだった」とコメントしている。
労働者側は、レイオフの撤回に加え、雇用保障の強化、最大60%まで認められていたリモートワーク制度の復活、そして約束されていた昇進・昇給の実施を求めている。一方でUbisoft側は、レイオフの理由として「戦略転換」を説明しているとされる。ヒット作を生み出したチームの処遇がどうなるか、今後の動向が注目される。
編集部





