利益464億円のうち、439億円がゲーム事業から
コナミはゲームだけの会社ではない。スポーツクラブを全国に展開し、カジノ向けの機器を海外で売り、ゲームセンターの筐体も作っている。多角化の進んだ会社という顔がある。
だが2027年3月期・第1四半期(2026年4〜6月)の決算資料を開くと、利益の姿はまるで違った。
**ゲーム事業(デジタルエンタテインメント事業)の利益は439億円。**黒字を出した事業の合計は464億円なので、95%がここから出ている計算になる(この割合は資料には無く、編集部がセグメント別利益から算出した)。
| 事業 | 第1四半期の利益 |
|---|---|
| デジタルエンタテインメント(ゲーム) | 439億円 |
| アーケードゲーム | 9億円 |
| ゲーミング&システム(カジノ機器) | 8億円 |
| スポーツ(フィットネス) | 8億円 |
| その他 | 0億円 |
**アーケードもカジノ機器もスポーツクラブも、3つ全部足して25億円。**全国に店舗を構えるスポーツクラブが、利益では全体の2%だ。
ちなみにこの「ゲーム事業」、テレビゲームだけではない。資料はこの事業のポイントに『パワフルプロ野球2026-2027』『eFootball Kick-Off!』と並べて**「遊戯王カードゲーム」**を挙げている。紙のカードも同じ箱に入っている。内訳は資料にないので、439億円のうちいくらがカードなのかは分からない。
なぜ95%になったのか。4年に一度のサッカーの祭典だった
理由は資料に書いてある。**「4年に一度のサッカーの祭典による盛り上がりを受け『eFootball』が好調に推移」。**今年6月に開幕したサッカーの世界大会だ。
数字の伸び方が特需を物語っている。ゲーム事業の売上は前年同期の733億円から1,001億円へ+36.5%。利益は279億円から439億円へ+57.4%。利益の伸びが売上の伸びを大きく上回った。
『eFootball』は基本プレイ無料で長く運営するタイプのゲームだ。遊ぶ人と課金が増えても、パッケージの製造費のような追加コストがかからない。増えた売上268億円のうち160億円が、そのまま利益として残った。
つまり95%は、この四半期だけの姿である可能性が高い。
特需を除いた通期予想でも、88%
では祭典が終われば、この偏りは消えるのか。同じ資料に載っている通期予想を見ると、答えは出ている。
| 事業 | 第1四半期 | 通期予想 |
|---|---|---|
| デジタルエンタテインメント(ゲーム) | 439億円 | 1,380億円 |
| アーケードゲーム | 9億円 | 75億円 |
| ゲーミング&システム(カジノ機器) | 8億円 | 65億円 |
| スポーツ(フィットネス) | 8億円 | 40億円 |
| その他 | 0億円 | 15億円 |
ゲーム以外は25億円から195億円へ、8倍近くに増える前提だ。ゲーム事業の3倍増より伸び率は大きい。それでも同じ計算で割合を出すと、**ゲーム事業は88%**になる。
つまり**特需が抜けて、他の事業が全部伸びても、それでも9割近い。**第1四半期の95%が特別だっただけで、この会社の形そのものは変わらない。
編集部の見立て:意外とゲームに一途な会社だった
ここからは編集部の見方だ。
スポーツクラブを全国に持ち、カジノ機器を海外で売り、ゲームセンターの筐体も作る。事業の顔ぶれだけを見れば、たしかに多角化した会社である。
だが利益で見ると、**特需の四半期で95%、特需のない通年でも88%。**ゲーム以外の3事業は伸びているし、ゲーミング&システムは前年同期の2億円の赤字から8億円の黒字へ、スポーツも4億円から8億円へ倍増している。それでも比率は動かない。規模が小さいのではなく、ゲームが大きい。
しかもその「ゲーム事業」には遊戯王カードゲームまで入っている。テレビゲームも、アプリも、紙のカードも、ひとつの箱にまとめて置かれている。コナミにとっての事業の中心はそこだ、という置き方にも見える。
多角化の顔をしながら、稼ぎはゲームで作り続ける。意外とゲームに一途な会社だった。
出典: コナミグループが公開した決算説明資料(IRページ)。割合はセグメント別利益のうち黒字の事業を合計し、そこに占めるゲーム事業の比率を編集部が算出した(全社費用・消去は含めていない)。
本記事はコナミグループが公開した決算説明資料を基に、公開情報を要約・整理したものです。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。文責:山口修平(Quest Board編集責任者)。









