牧場物語やルーンファクトリーで知られるマーベラス。2026年4月から6月の売上高は62億5,500万円だった。その中でいちばん大きな事業は、家庭用ゲームでもスマホゲームでもない。ゲームセンターに置かれたポケモンの筐体を扱う「アミューズメント事業」だ。

マーベラス 2027年3月期 第1四半期 6ページ
P6この数字が載っているページ。マーベラスが公開した決算説明資料より。

事業別の売上でアミューズメントが最大

資料には事業別の売上が載っている。コンシューマゲーム関連が13億6,500万円、オンラインゲーム関連が13億8,600万円、アミューズメントゲーム関連が23億400万円、音楽・映像コンテンツ関連が4億6,500万円、舞台公演関連が7億3,200万円。合計は62億5,500万円で全体と一致する。

つまり、家庭用とオンラインを別々に見ると、どちらもアミューズメントに届かない。ふたつを合わせた「デジタルコンテンツ事業」なら27億5,200万円でアミューズメントを上回るが、ひとつの事業としてはポケモン筐体を含むアミューズメントが最大だ。

利益でも同じ構図になる。セグメント利益はアミューズメント事業が5億6,000万円、音楽映像事業が5億1,700万円、デジタルコンテンツ事業が3億8,200万円。会社全体の営業利益10億4,200万円の中で、アミューズメントがいちばん多くを稼いでいる。資料も「ポケモンキッズアミューズメントマシンが国内外で引き続き堅調推移、全社業績を牽引」と書いている。

中身はポケモン筐体とプライズ機

このアミューズメント事業に入っているのは、『ポケモンフレンダ』『ポケモンメザスタ』といったキッズアミューズメントマシンと、「TRY」シリーズのプライズマシンだ。ポケモンだけでいくらかは、資料に内訳がないので分からない。ただ、資料が「全社業績を牽引」と名指ししているのはポケモンの筐体のほうだ。

歴史が長い。資料の年表を見ると、2007年7月のポケモンバトリオに始まり、トレッタ、ガオーレ、メザスタ、そして2024年7月のフレンダへと代替わりしてきた。国内では『ポケモンフレンダ』が堅調、海外では2025年4月から展開する『ポケモンメザスタ』が稼働地域を広げている。今冬にはプライズ機の新型『TRYWALL』も控える。

編集部の見立て:ゲームの合間を支える土台

ここからは編集部の見方だ。

今回の四半期は、ゲーム側にとって「谷間」だった。資料は「基幹タイトルのリリースを第2四半期以降に控える」と書いており、前年同期に52億1,000万円あったデジタルコンテンツ事業の売上は27億5,200万円になった。アミューズメント事業も前年同期の26億3,700万円から減ってはいるが、減り方がゆるやかで、結果として会社の中で最大の事業になった。

大作ゲームの売上は発売する四半期に集中し、ない四半期は静かになる。一方、ゲームセンターの筐体は毎日、少しずつ稼ぐ。2007年から途切れずに続くポケモン筐体は、マーベラスにとって新作の合間を埋める土台になっている。

その土台があるからこそ、デジタルコンテンツ事業は前年同期の赤字3億4,900万円から3億8,200万円の黒字へ立て直しながら、PROJECT N(仮称)や『朧村正怪奇譚』といった基幹タイトルの開発を進められる。牧場物語の会社の足元を支えているのは、意外にもポケモンだった。


出典: マーベラスが公開した決算説明資料(IRページ)。数値・スライド画像は同資料に基づく。

本記事はマーベラスが公開した決算説明資料を基に、公開情報を要約・整理したものです。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。文責:山口修平(Quest Board編集責任者)。