7月13日、ワンダープラネットはサンリオとの新作モバイルゲームの共同開発に合意したと発表した。決算説明資料の冒頭を飾る、この四半期最大のニュースだ。そして同じ資料の20ページに、この提携の意味を一発で伝える表が載っている。世界のメディアフランチャイズを歴代の総推定収益で並べたランキングだ。
ミッキーマウスより上、スターウォーズより上
出典はVISUAL CAPITALISTが2024年4月に公表したランキングで、資料にはトップ17が掲載されている。1位はポケモンの1,470億ドル。ここまでは想像どおりだろう。意外なのは2位だ。ハローキティ、890億ドル。3位のくまのプーさん(760億ドル)、4位のミッキーマウスと仲間たち(740億ドル)、5位のスターウォーズ(700億ドル)より上に居る。
ゲーム好きなら気になるマリオは9位で380億ドル。世界最強のゲームキャラクターに見えるマリオよりも、ハローキティの方がはるかに上位なのだ。資料はこの表に「トップ17に日本のIPが7つランクイン」と添えている。
この表が決算資料に載っている理由
ワンダープラネットは今回の資料で、向こう3年の柱の1つ目に「有力IP協業の拡大」を掲げた。実績としては、ブシロードと共同開発した『HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR』が今年2月に配信され、早くも会社全体の売上・利益に貢献している。その次の相手として発表されたのがサンリオだ。サンリオ側も2026年4月に初の自社ゲームブランド「Sanrio Games」を始動させ、「グローバルIPプラットフォーマー」への進化を掲げている。
鍵は「グローバル」にある。資料の別のページによれば、世界のモバイルゲーム市場12.6兆円のうち、日本は1.66兆円で全体の13%に留まる。890億ドルという数字は、日本の中だけで積み上がったものではない。世界中で通用する看板を、市場の大半を占める海外へ向けて展開する。この表が語っているのは、その組み合わせの狙いだ。
編集部の見立て:890億ドルの「ゲームの数字」はこれから書かれる
ここからは編集部の見方だ。ランキング上位の顔ぶれを見ると、ポケモンもマリオもゲームから生まれたIPだ。一方のハローキティは、ゲームの外で890億ドルを積み上げてきた。世界2位のIPでありながら、ゲームという畑はまだ本格的に耕されていない。サンリオが自社ゲームブランドを立ち上げ、共同開発の相手を探した理由も、ここにあると見るのが自然だ。
そして、その相手に選ばれたのが、2012年に名古屋で生まれた従業員126名の会社である。ゲームの内容はまだ明かされていない。だが890億ドルのIPが本気でゲームへ向かうとき、その開発を担う側に居る。この表の「2位」という位置を知っていれば、続報の見え方は変わってくるはずだ。
出典: ワンダープラネットが公開した決算説明資料(IRページ)。数値・スライド画像は同資料に基づく。
本記事はワンダープラネットが公開した決算説明資料を基に、公開情報を要約・整理したものです。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。文責:山口修平(Quest Board編集責任者)。










