帳簿のゲーム資産は0.1億円
ケイブの2026年5月期は、第3四半期までの累計で売上高87.5億円。前年同期比13.9%減で、営業損失は10億円だ。通期の修正予想は売上高119億円、営業損失7億円、純損失32億円。4期ぶりの赤字になる。
その資料の中で目を引く数字が「ソフトウエア関連資産」だ。期初に22.0億円あったものが、第3四半期末には0.1億円になっている。中身はゲーム事業におけるソフトウエアとソフトウエア仮勘定。つまり、開発中・運営中のゲームに投じたお金のうち、帳簿に資産として残っている分だ。
一方で現金・預金は39.5億円を確保している。ゲームで食べてきた会社の帳簿から、ゲームの資産がほぼ消え、現金が残った形だ。
減損損失28.5億円の中身
なぜ0.1億円まで減ったのか。第2四半期(2025年9月〜11月)に2本のタイトルで減損損失を計上したからだ。『東方幻想エクリプス』で2.5億円、『OUTRANKERS』で24.9億円の減損損失等。その他の特別損失も含めて計28.5億円になる。
『OUTRANKERS』は2025年11月のリリース。その11月を末とする四半期で減損したことになる。売上原価とプロモーション費用が第3四半期の利益を押し下げたと資料は説明している。子会社でらゲーが出資する製作委員会の「メテオアリーナ・スターズ」も12月にサービスを終了し、製作委員会は解散した。
会社はこれらの損失を「当期中に処理を完了し、将来にリスクを先送りしない形で保守的に対応」したと書く。『東方幻想エクリプス』は減損後も運営を続けており、2ndアニバーサリーでキャラクターをさらに強化できる大型アップデートを実施した。

『新約・怒首領蜂大復活』の画面。画像はSteamストアの公開素材
編集部の見立て:身軽になった老舗が向かう先
ここからは編集部の見方だ。0.1億円という数字は、スマホゲームに投じた資産を一度きれいにした、という意味だ。そして資料に載っている次の一手は、スマホではなくSteamだ。2008年にアーケードで出た『怒首領蜂大復活』を『新約・怒首領蜂大復活』として全世界に向けてリリースする。過去のシューティングにケイブ自身が再び火を灯す「リファインプロジェクト」の第一弾で、配信日は未定。1月26日には渋谷にオフィシャルショップ「弾幕」もプレオープンし、怒首領蜂やケツイ、虫姫さまのグッズを並べた。
帳簿から消えたのはスマホゲームの資産で、残ったのは弾幕シューティングのIPと39.5億円の現金だ。数字が示しているのは、東亜プランの流れをくむ弾幕STGの老舗が、身軽になって原点のIPに戻ってきた姿だと見るのが自然だ。第3四半期の営業損失は0.8億円まで縮み、第4四半期は黒字化を見込む。次に帳簿へ載るゲーム資産が何になるかは、もう資料に書いてある。
出典: ケイブが公開した決算説明資料(IRページ)。数値・スライド画像は同資料に基づく。
本記事はケイブが公開した決算説明資料を基に、公開情報を要約・整理したものです。特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。文責:山口修平(Quest Board編集責任者)。











