16年前のブラウザゲームが、ついにSteamへ

物理演算コメディアクション『Happy Wheels』が、Steamで配信を開始した。開発はJim Bonacci、パブリッシングはFancy Forceが手がける。Steamストアページ掲載からわずか2週間で獲得したウィッシュリストは75万件。発表によれば、Jim氏自身は当初「良くて5000件程度」しか見込んでいなかったといい、想定を大きく超える反響となった。

紹介動画

『Happy Wheels』は、シートベルトも安全装備もろくにない乗り物で理不尽な障害コースへ突っ込んでいく、横スクロールの物理演算サンドボックスゲーム。ヘルメットの男が自転車で我が子を後部座席に乗せたまま宙を舞う定番の絵面は、2010年の公開当初から多くのプレイヤーの記憶に刻まれてきた。

理不尽な障害と、容赦ない結末を楽しむ

Steam版は広告なし(ad-free)でプレイでき、新たにコントローラー対応も追加された。錆びついた廃列車の残骸へ突っ込む自転車、逃げ惑うゾンビらしき姿——ブラウザ版で培われた「先が読めない理不尽さ」は健在で、コースの造形物にぶつかるたびに待つ悲惨な結末そのものが本作最大の見どころだ。

選べるキャラクターと、蓄積された500万件のコース

キャラクター選択画面には、車椅子の男やセグウェイに乗るスーツ姿の男など、シリーズを象徴する面々が並ぶ。Steam版では、ブラウザ版時代から積み上がったユーザー制作コースのうち500万件以上にアクセス可能。さらにSteam実績80種類とSteam ID連携機能も新たに搭載され、やり込み要素が加わった。

セグウェイの男が原始時代らしき森でセリフ付きのシーンに遭遇する場面
ユーザー制作コースの一例:時代を超えた出会いを描く一コマ
郊外の住宅街でバイクの家族と武装した侵入者が同時に描かれる場面
ユーザー制作コースの一例:物騒な郊外の一幕

セグウェイの男が恐竜のいる森で台詞付きの一幕に出くわすコース、郊外の住宅街に爆弾と銃を持った侵入者が現れるコース——こうした振れ幅の広いシナリオも、すべて有志プレイヤーが作り上げたものだ。『Happy Wheels』の面白さは公式コースだけにとどまらず、こうしたユーザーの発想がそのまま資産として積み上がっている点にある。

レベルエディタで、自分だけの理不尽コースを

ゲーム内には本格的なレベルエディタを搭載。ベジェ曲線で地形を描く「アートツール」を使えば、頂点を打ってコース独自の造形物を自由に作成できる。誰でもコースを作って共有できる懐の深さこそが、500万件超という膨大なユーザー制作コースを生んだ土台だ。

発売情報と、今後のアップデート

Steam版の価格は4.99ドル(日本語ストアでは655円)。記事執筆時点でのSteamユーザーレビューは1372件中95%が好評となる「非常に好評」評価を獲得している。発売当日はアクセス集中によるサーバー負荷への対応を呼びかけており、今後はコントローラー・Steam Deck対応の強化、オフライン対応、実績関連の調整やバグ修正といったアップデートが予定されている。

『Happy Wheels』は2010年、ブラウザ向けFlashゲームとして産声を上げた作品だ。2020年12月28日にはFlash終了を見据えたJavaScript移植版が公開され、ブラウザでのプレイ継続を可能にしてきた。それから約16年、今回のSteam版リリースによって、本作は新たな一歩を踏み出したことになる。続報は開発者公式サイトTotalJerkFaceで随時発表される見込みだ。