TITLE: 18年前の今日は、初週北米1位・3か月で290万本売った『Far Cry 2』の発売日 TEASE: 舞台をジャングルの島からアフリカの内戦国へ移した続編。制作3年半、初週の北米で1位、3か月で290万本。18年前の今日発売

アフリカのどこかにある架空の国。政府軍も反政府軍も、どちらも正義ではない。プレイヤーは金で雇われた傭兵として現地に降り、内戦に武器を流して火種を広げる武器商人「ジャッカル」の暗殺を命じられる。『Far Cry 2』は、広大なアフリカの大地を自由に移動しながら、どちらの派閥の仕事も請け負って生き延びていく一人称視点のシューティングゲームだ。

一本道のミッションをこなす作りではない。移動手段を探し、体力と装備を自分で管理し、「Buddy(バディ)」と呼ばれる仲間に助けを求めながら任務に向かう。ディレクターのクリント・ホッキングは、ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』とダシール・ハメットの『血の収穫』から着想を得て、極限状況で生き延びるために人はどこまでやるのか、というテーマを物語とトーンの中心に据えた。

『Far Cry 2』の画面

舞台を変えることが、シリーズを救う手段だった

初代『Far Cry』(2004年)を作ったのはCrytekで、彼らは同年にエレクトロニック・アーツと新たな契約を結び、以降のFar Cryに関われなくなった。ユービーアイソフトはCrytekと交渉してFar CryのIPそのものを買い取り、モントリオールスタジオがCryEngineの技術を使って続編を作れるようにした。

問題は、南国の島という舞台がすでに使い古されていたことだ。 初代の設定とトーンを流用した派生作品が続き、ブランドは市場で消耗していた。Crytekの新作も似た熱帯の環境になると見られていたし、同時期のゲームや他メディアもジャングルの島を舞台にしていた。そこで舞台をアフリカの内戦国に移し、初代より現実寄りの手触りを目指した。制作期間は3年半、構想は『Far Cry Instincts』(2005年)の開発中から始まっていた。 自社開発のゲームエンジン「Dunia」もこのために作られた。リードデザイナーのピエール・リヴェストは、このゲームの仕組みと規模には比較対象になる他のゲームが存在せず、それが難しさだったと語っている。

『Far Cry 2』の画面

初週北米1位、3か月で290万本

発売直後、Windows版は北米で初週の売上1位になった。Xbox 360版が4位、PS3版が5位。NPDグループの報告では、2008年11月のWindowsゲーム売上で15位に入っている。11月12日までに全機種合計で世界100万本、翌年1月までに290万本へ伸びた。

批評も概ね好意的で、Metacriticのスコアはウィンドウズ版・コンソール版ともに100点満点中85点(Windowsは34本、PS3は49本、Xbox 360は75本のレビューに基づく)。1Up.comのティエリー・グエンは、ゲームバランスに小さな問題が多数あるものの2008年最良のシューターの一本に数えられると評した。Edge誌は本筋の遊びと、全体のテーマに合致したどんでん返しの結末を称賛。Game Informerのマット・ミラーは基本的な戦闘はやや弱いとしつつ、デザインとプレイヤーの自由度を評価し、バディたちとの間に生まれる感情のつながりを最大の見どころに挙げた。 GameSpotのショーン・マッキニスは、ミッションへの取り組み方の自由さと物量を好意的に見ている。GameProは満点をつけ、市場で最高のシューターの一本だが、その規模はジャンルのベテランには取っつきにくいかもしれないと添えた。

一方で評価は一枚岩ではなかった。Eurogamerのクリスチャン・ドンランは**「自分自身と格闘するために生まれたゲーム」**と呼び、美しさや楽しい遊びの構造とぶつかり合う要素がいくつもあると指摘した。GameSpyのデイヴ・コサックは開放的な戦闘設計をほぼ全面的に称賛しつつ、オープンワールドの移動と、キャラクターの動機の不明確さを欠点に挙げている。

残したもの

モントリオールスタジオはそのままシリーズのリード開発を続け、2012年に『Far Cry 3』を出す。3は初代の熱帯の舞台に戻り、2で賛否が割れた要素を捨てるか磨くかしながら、遊びの中核を改良した。 ジャッカルはシリーズのファンの間で以降も評価が分かれ続けたが、カリスマ的な敵役を物語とマーケティングの前面に立てるという流れは、ここから始まった。

もう一つ大きいのは設計思想そのものだ。『Far Cry 2』は、次世代機の上に大きなオープンワールドを置いて長く続くフランチャイズを育てる、というユービーアイソフトの後の常套手段を最初に実践した大型タイトルだった。 この型は以降のFar Cryシリーズ、『アサシン クリード』、トム・クランシー原作の各シリーズへと受け継がれていった。

いま遊べるのか

当時の対応機種はMicrosoft Windows、PlayStation 3(日本語版はXbox 360とPS3で発売。Windows版は日本語マニュアル付英語版がイーフロンティアから出ていた)。携帯電話向けには、Gameloftが見下ろし視点のシューターとして別に開発・販売している。

現在はSteamのWindows版が**¥1,320**。レビュー18,937件で好評76%。 ストア: https://store.steampowered.com/app/19900/

Far Cry® 2 HD Trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。