2010年10月19日、『Fallout: New Vegas』が発売された。開発はオブシディアン・エンターテインメント、発売元はベセスダ・ソフトワークス。**2年前に500万本を売った『Fallout 3』のスピンオフとして、発売前からアナウンスされていた作品だった。**日本では同年11月4日に、Xbox 360とPlayStation 3で発売されている。

『Fallout: New Vegas』の画面

どういうゲームなのか

舞台は核戦争から204年後のモハーヴェ砂漠。プレイヤーが操るのは、暗殺されかけて生き延びた「運び屋」だ。この地域の支配権を争う複数の勢力の対立に、その運び屋が巻き込まれていく。

自由に歩き回れるオープンワールドで、さまざまな武器を使った戦闘ができる。もう一つの柱が会話で、NPCとの対話は選択肢の枝分かれ(ダイアログツリー)として提示され、**何を選んだかが、それぞれの勢力における自分の評判として積み上がっていく。**誰に味方し誰を敵に回すかをプレイヤーが決める構造になっている。

『Fallout: New Vegas』の画面

中止になった『Van Buren』の続き

企画の出発点は2003年12月にある。ブラック・アイル・スタジオが開発していた『Van Buren』——シリーズ本編の3作目になる予定で、アリゾナ・コロラド・ネバダ・ユタを舞台に、リアルタイム進行とターン制戦闘を組み合わせるはずだったゲーム——が、版元インタープレイの財務問題を受けて中止された。その中止より前に、ブラック・アイルとインタープレイの元スタッフがオブシディアン・エンターテインメントを設立していた。

オブシディアンには『Fallout』『Fallout 2』『Fallout Tactics』を手がけた元ブラック・アイルのメンバーが多く在籍し、設立後は『Star Wars Knights of the Old Republic II』『Neverwinter Nights 2』『Alpha Protocol』などを開発していた。**『New Vegas』に過去シリーズからの引用が多いのは、作っている人間が重なっているからだ。**ベセスダ側も舞台を1作目・2作目と同じ西海岸に置きたがり、オブシディアンは『Fallout 2』が持ち込んだニューカリフォルニア共和国のような要素を広げられると考えた。

拡張パックの依頼が、1本のゲームになった

2007年、ベセスダはFalloutの知的財産を買い取る。翌年に出した『Fallout 3』は批評家に歓迎され、2008年のうちに500万本以上を売った。ただしベセスダは『Fallout 3』の発売前から『The Elder Scrolls V: Skyrim』の開発に入っており、追加コンテンツは外部の開発会社に大型拡張パックとして作らせる方針だった。

これを1本の独立したゲームに変えたのが、ベセスダのクリエイティブディレクター、トッド・ハワードだ。拡張ではなくフルゲームにすべきだと働きかけ、シリーズでの実績からオブシディアンを推した。オブシディアンは同じ2007年にベセスダからのスタートレックのゲームの依頼を断っていたが、Falloutのスピンオフは引き受けた。

舞台にラスベガスと周辺のモハーヴェ砂漠を選んだのは、シリーズの代名詞だった1950年代的なイメージと、『マッドマックス』的な世紀末の風景を同時に呼び起こせるからだった。プロジェクトディレクターのジョシュ・ソーヤーは物語の主題を強欲と過剰に据え、ラスベガスそのものの歴史を題材にしている。

いま遊べるのか

当時の対応機種はWindowsとPlayStation 3(日本では2010年11月4日にXbox 360とPlayStation 3で発売)。現在はSteamのWindows版が**¥275**で購入できる。ユーザーレビューは262,638件で、96%が好評という評価が付いている。発売から16年を経たタイトルに26万件を超えるレビューが集まり、その水準が保たれたままになっている。

ストアページ: https://store.steampowered.com/app/22380/

Fallout New Vegas E3 2010 trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。