不良少年が寄宿学校に放り込まれる、学園のオープンワールド
舞台は架空のニューイングランドの町ブルワース。町の名門寄宿学校ブルワース・アカデミーに、不良少年ジミー・ホプキンスが本人の意思とは関係なく入学させられる。プレイヤーは三人称視点でジミーを操り、1学年をかけて校内の序列を上がり、いじめを終わらせようとする。生徒とも教師とも、ぶつかりながら進む。
オープンワールドは徒歩のほか、スケートボード、原付スクーター、自転車、ゴーカートで移動できる。授業に出席し、サイドミッションをこなし、校内に分かれた「クリーク」(派閥)のなかで人気を上げていく。銃や車の代わりに時間割と派閥がある構造で、「学園版GTA」と称されることもある。欧州でのタイトルは『Canis Canem Edit』、ラテン語で「犬が犬を食う」。

発売前は内容が騒がれ、発売後は脚本が評価された
2005年5月にPS2とXbox向けに発表され、当初の発売予定は2005年10月だった。実際に出たのは1年後の2006年10月17日、PS2版である。発売前は暴力描写と性的な内容が物議を呼んだが、出てからの評価は逆方向に向いた。
Metacriticでは「おおむね好評」。Hyperのダニエル・ウィルクスは「巧みな脚本、目新しいミッション、よく作られたキャラクター」を評価し、一方で時間の進み方、あやしいカメラ、凡庸なミニゲームを批判している。Joystiqのボニールーバーグはジミーがほかの男子生徒とキスできることを、特別扱いしないカジュアルさとして評価した。2013年にはComplexのラリー・ヘスターが、ジミーをゲームで最も「クール」なLGBTキャラクターの一人に挙げている。
キャラクター作りでは「子どもである状態」を再現し、それを楽しいものにすることが狙われた。ジミーは『ライ麦畑でつかまえて』のホールデン・コールフィールドと重ねて語られる(家庭に問題があり、複数の学校を追い出されている)。当初の主敵は尊大な校長クラブルスニッチだったが、最終的にその座は、はじめはジミーと友達になる生徒ゲイリー・スミスに移った。ゲイリーはソシオパスとして描かれ、自分は誰より賢く優れていると考える自己愛者だと自ら認め、学校を支配したがる。

150万本売れ、続編は全社規模で動いたまま世に出なかった
2008年3月時点で、PS2版は150万本を売った(Take-Two Interactive発表)。2006年11月にウェドブッシュ・モーガンのマイケル・パクターが「年末商戦で続編に値するほどは売れない」と予想したが、外れたためロックスターとTake-Twoに謝罪し、続編は「ありうる」と言い直している。
移植は2008年に集中した。Wii・Xbox 360版『Bully: Scholarship Edition』が3月4日、Windows版が10月21日。日本ではベセスダ・ソフトワークスが7月24日にPS2とXbox 360で発売した。ただしXbox 360版は一部の本体で不安定で、3月20日のパッチ後も問題が続いた、あるいは悪化したという報告が出た。PC版の評価はまちまちで、GameSpotは6.0を付け「手抜きの移植がBullyの教室の騒ぎを損なっている」と書いている。
続編はもっと先まで進んでいた。Mad Doc Softwareは2008年4月にロックスターへ買収されRockstar New Englandとなり、GTA IVのDLCやRed Dead Redemptionを支援したのち、『Bully 2』の初期制作がゴーサインを得る。元社員の証言では、一時期は50〜80人のスタジオ全体がBully 2に入り、マップは1作目の3倍で『Vice City』に近い規模、入れる建物を増やし、プレイヤーの選択にAIが反応する設計が計画されていた。それは世に出ていない。
いま遊べるのか
発売当日の機種はPlayStation 2。対応機種として記録が残るのはMicrosoft Windows、Wii、PlayStation 4、Project Shieldで、2014年3月19日からはPS3のゲームアーカイブスで日本語PS2版が配信された。10周年の2016年12月9日には、iOS/Android向けに『BULLY: Anniversary Edition』が出ている。
現在はSteamのWindows版が**¥1,480**。レビュー42,491件で好評84%。ストアは https://store.steampowered.com/app/12200/ 。
当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。










