筋書きのないゲームに、筋書きをつけた

『Minecraft: Story Mode』は、Mojang Studiosのサンドボックスゲーム『Minecraft』を原作に、Telltale Gamesが開発・発売したエピソード形式のポイント・アンド・クリック型アドベンチャーである。プレイヤーは画面上の選択肢を選んで物語を進める。遊び方が決まっていない原作に、決まった物語を与えるという逆向きの企画だった。

構想が生まれたのは2012年末、Telltaleが『Tales from the Borderlands』を手がけていた頃だ。既存のゲーム世界を物語にするという発想から、スタッフは『Minecraft』に目を向けた。ジョブ・スタウファーは原作を**「物語を語るための白紙のキャンバス」**と評している。YouTubeでファンが自主的に物語を作っている量を見て、彼らは語る余地があると確信した。スタッフの多くがすでに原作のファンで、自分たちのプライベートサーバーで遊んでおり、そこで起きた出来事のいくつかがストーリーの元になった。

主人公には原作のデフォルトキャラクターであるスティーブを使わず、新しくジェシーを作った。プレイヤーが抱いているスティーブ像を書き換えたくなかったからだ。仲間たちは建築、戦闘、他プレイヤーへの妨害といった原作の典型的なプレイスタイルを下敷きにしたアーキタイプから設計されている。第1話から第4話では、ジェシーたちが古の英雄団「ストーンのオーダー」を再結集し、オーバーワールドを破壊するウィザーストームに立ち向かう。トーンは家族向けで、スタウファーは『グーニーズ』や『ゴーストバスターズ』のような作品に近いと語った。声優陣には『グーニーズ』出演のコリー・フェルドマンが名を連ねている。

『Minecraft: Story Mode』の画面

評価は話ごとに揺れた

本作は批評家から賛否両論、あるいは平均的な評価を受けた。特徴的なのは、エピソードごとに点数が大きく上下したことだ。 Metacriticでは第1話「The Order of the Stone」がWindows版71点、Xbox One版77点だったのに対し、第2話「Assembly Required」はWindows版59点、PlayStation 4版53点まで落ち、第3話で73点へ戻している。以降も60点台後半から70点台前半を行き来した。2017年の第2シーズンは第5話で78点を記録している。後年のNintendo Switch版は5件のレビューで67点だった。

『Minecraft: Story Mode』の画面

消えたこと自体が、この作品の記録になった

本作はTelltaleにとって節目の作品でもあった。『Minecraft』が任天堂プラットフォームに登場したわずか1か月後にWii U版を発売し、これは『Back to the Future: The Game』以来、Telltale作品が任天堂機に出た初の事例となった。 原作要素の扱いにも方針があり、クリーパーなどの由来や背景は設定しなかった。物語に登場させつつ説明はせず、ファンによる多様な解釈を残した。

2018年末にはDLCを除く第1シーズンがNetflixで公開された。だがTelltale Gamesの閉鎖に伴い、両シーズンは2019年6月25日に配信停止となり、サービス終了した。 Netflix版も2022年12月5日に配信を終えている。選択で進むエピソード形式のゲームが、スタジオごと消えると遊べなくなるという事実を、この作品は自ら記録した。

いま遊べるのか

発売当時の対応機種はMicrosoft Windows、PlayStation 3、Wii U、PlayStation Vita、PlayStation 4、Fire OS。その後、macOS、Xbox 360、Xbox One、Nintendo Switch、Android、iOS、Apple TVにも展開した。

現在はSteamでWindows版とMac版が販売中で、レビュー8,283件のうち78%が好評となっている。 ストアページ: https://store.steampowered.com/app/376870/

Minecraft: Story Mode - Episode 5 Launch Trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。