2007年10月10日、ヴァルヴ・コーポレーションの『Team Fortress 2』(TF2)が発売された。1996年の『Quake』用MOD「Team Fortress」と1999年の『Team Fortress Classic』に続く続編で、開発を率いたのは元のMODを作ったジョン・クックとロビン・ウォーカーの2人だった。発売はWindowsとXbox 360向けの『The Orange Box』の一本としてで、PlayStation 3版は同年12月に移植された。Windows単体版は2008年4月、macOS対応は2010年6月、Linux対応は2013年2月、そして2011年6月に基本プレイ無料になった。

赤と青、9つのクラスを選んで撃ち合う
プレイヤーはRED(赤)とBLU(青)のどちらかのチームに入り、9種類あるクラス(職業)から1つを選んで戦う対戦型のファーストパーソン・シューティングだ。モードは、敵陣のブリーフケースを奪って自陣に持ち帰るCTF(キャプチャー・ザ・フラッグ)、エリアに乗り続けて占領していくCP(コントロールポイント)、キング・オブ・ザ・ヒルなどが用意されている。
CPには攻守の形が2種類ある。片方が常に攻撃・片方が常に防衛というA/D型と、両チームが押し合う5CP型だ。より多くの人数が乗ればキャプチャーは早く進み、防御側が1人でも乗っていればタイマーは止まる。排除してもタイマーはすぐには戻らないため、攻める側は途切れない圧力を、守る側は的確な排除を求められる。ロックが解除された瞬間を狙って次のCPに先回りする「裏取り」のような戦法も、この仕組みから生まれている。
対戦FPSは待ち構えられる守備側が有利になりやすい。TF2はここに手を入れ、攻撃側の復活時間を大幅に短くし、敵の本拠地に近づくほど復活とキャプチャーがさらに速くなるようにした。フラッグはタイマーでしか戻らない。防衛位置に隠れ続けるキャンパーへの対策であり、一方的な試合を手早く終わらせる配慮も兼ねている。

9年かけて、ミリタリーを全部捨てた
TF2が発表されたのは1998年、仮称は『Team Fortress 2: Brotherhood of Arms』だった。当初はリアル寄りのミリタリー路線で、12種類の職業と「指揮官システム」で本物の戦場を再現しようとしていた。だが迷彩服ばかりで見分けが付かず、指揮官システムは作り込んでも面白くならなかったため、ヴァルヴはこの計画を破棄してキャッチーでコミカルな方向へ転換した(指揮官システムはこの間にEAの『バトルフィールド2』に載った)。
結果、開発は9年に及んだ。6年間ヴァルヴが情報を出さなかったため、TF2はWired Newsの年次ベーパーウェア一覧に毎年名を連ねた。待ちきれなくなった有志が『TFC』を素直に進化させたMOD『Fortress Forever』を作る事態にもなった。発売されたTF2は、そうした予想をいい意味で完全に振り切っていた。
92点と、手榴弾をめぐる賛否
評価はメタクリティックで92/100の「universal acclaim」。カートゥーン調のグラフィックと、そこから生まれる軽やかな手触り、クラスごとに与えられた見た目と性格の描き分けが多くの批評家を驚かせた。PC Gamer UKは「これまでのマルチプレイヤーゲームにはこれが無かった」と書いている。GameProはモードを「ただ純粋に楽しいこと」に集中していると評し、マップごとに違う遊びを作ろうとした「Hydro」を評価する声も複数あった。レベルデザイン、バランス、チームプレイの促し方も褒められ、『The Orange Box』の一部として複数のゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲っている。
一方、過去作にあったクラス固有の手榴弾を削ったことは賛否が割れた。IGNは残念だと述べ、PC Gamer UKは逆に「手榴弾は完全に撤去された——ありがたい」と書いた。ほかにボットの不在、ミニマップが無くマップで迷うこと、メディックが受け身で反復的すぎるという批判もあった。ボットは後のアップデートで追加され、メディックも新しい武器と能力を与えられて作り直された。インタラクティブ・アチーブメント・アワードではアートディレクションとアニメーションの2部門にノミネートされている。
いま遊べるのか
当時の対応機種はWindows、Xbox 360(ともに『The Orange Box』)、PlayStation 3。PS3版はEAが開発した経緯があり、Orange Box内のTF2のサービスは2023年に終了した。Xbox 360版はクロスプレイができない代わりに今も続いており、Orange BoxはXbox One/Xbox Series Xの互換起動にも対応している。
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ストア: https://store.steampowered.com/app/440/
当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる
当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。











