2013年10月8日、PlayStation 3用の『BEYOND: Two Souls』が発売された。開発はクアンティック・ドリーム、発売はソニー・コンピュータエンタテインメント。前作『HEAVY RAIN 心の軋むとき』で知られるスタジオの、物語を遊ばせることに全部を賭けた一本だった。

『BEYOND: Two Souls』の画面

一人の人生を、二つの魂で動かす

主人公はジョディ・ホームズという女性。生まれたときから彼女に結びついた、肉体を持たない「エイデン」という別の魂がいて、プレイヤーはジョディとエイデン、二人(二つ)を切り替えて操作する。ジョディはエイデンとの精神的なつながりを通じて超常的な力を持ち、少女期から大人になるまで、その力と付き合う方法を学んでいく。ジョディ役はエリオット・ペイジ、超常現象研究局の研究者でジョディの父親代わりとなるネイサン・ドーキンス役はウィレム・デフォー。

ディレクターのデヴィッド・ケイジは本作を、前作よりも「はるかに直接的な操作」ができ「はるかに派手なアクション」がある、よりアクション寄りの体験だと説明した。アクション場面ではクイックタイムイベント(画面の指示に合わせてボタンを押す仕掛け)を新しい形で組み込んだと本人も認めている。前作と違いPlayStation Moveには対応していない。

『BEYOND: Two Souls』の画面

脚本2,000ページ、撮影期間1年

制作の数字が異様だ。脚本は約2,000ページ。一般的な映画の脚本は95〜125ページで、1ページがだいたい1分の映像に相当する。ペイジはインタビューで「1日に30、40ページ撮った。映画と比べると正気じゃない」と語っている。

クアンティック・ドリームはモーションキャプチャのスタジオも兼ねており、俳優陣はパリのスタジオで1年がかりのプロジェクトとして、声の収録と体の演技の両方を担当した。アートディレクターのクリストフ・ブルソーが率いるチームが映像をつくり、ケイジが脚本と監督、ギヨーム・ド・フォンドミエールがエグゼクティブプロデューサーを務めた。

映画祭でプレミア上映されたゲーム

本作は2013年のトライベッカ映画祭でプレミア上映された。映画祭がビデオゲームを取り上げたのは、これが2度目だった。ケイジは、ゲーム開発スタジオは誰でも遊べる「インタラクティブなストーリーテリング」を提供すべきだと語っている。

評価も高かった。週刊ファミ通2013年10月24日号のクロスレビューで40点満点中38点、プラチナ殿堂入り。GameSpotは10点満点で9点をつけ、エディターズ・チョイスに選出した。

2014年11月、ケイジはゲームの未来についてこう述べている。技量を競うスポーツとしてゲームを見る層も、スマホゲームのように趣味として遊ぶ層もいる。「我々はその中間の道を進もうとしている。物語を語り、意味を運び、暴力が中心の行為ではないゲームだ」。そして2025年1月、エリオット・ペイジの製作会社Pageboy Productionsが本作のテレビシリーズ化権を取得したと発表された。ペイジ自身がプロデューサーとして参加する。

いま遊べるのか

当時の対応機種はPlayStation 3(2013年10月8日)とPlayStation 4(2015年11月24日のフルHDリマスター)。日本では2016年6月1日からPlayStation Storeのダウンロード専売で、『HEAVY RAIN 心の軋むとき』との同時収録版が配信された。2019年7月22日には、クアンティック・ドリーム自身が販売元となってWindows版が登場している。

いまはSteamのWindows版が**¥115**。レビュー43,959件で好評88%(ストアページ: https://store.steampowered.com/app/960990/ )。

Beyond: Two Souls - Steam Trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。