六人の仲間から二人を選び、幽霊屋敷に押し入る
主人公は高校生のデイブ・ミラー。恋人のサンディ・パンツが、丘の上の屋敷に住むマッドサイエンティストにさらわれた。その科学者の精神は、知性を持つ隕石に支配されている。デイブは六人の友人から二人を選んで屋敷に乗り込み、謎を解きながら危険を避けて彼女を救い出す。
操作はポイント&クリック。画面の下に並んだ動詞を選び、物や人を指して組み合わせる。進行は一本道ではなく、誰を連れて行くかで解き方そのものが変わる。仲間にはそれぞれ特技があり、物語の展開がその特技と絡み合う。ルーカスフィルム・ゲームズにとっては、これが初めての自社販売タイトルだった。

コマンド入力を捨てるために、新しい言語を作った
1976年の『コロッサル・ケーブ・アドベンチャー』以降、アドベンチャーゲームは文字を直接打ち込んで進めるものだった。1980年の『ミステリーハウス』で絵が付き、1984年の『King’s Quest』で三人称視点のキャラクターを直接動かす形が確立される。その流れを受けつつ、コマンド入力そのものを排したのが本作だった。デザイナーのロン・ギルバートがコマンドラインを嫌っていたからである。
企画は1985年、ギルバートとゲイリー・ウィニックが『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』や『クリープショー』といったコミカルなホラー映画のお約束を下敷きにして立ち上げた。紙と鉛筆でゲームを組んでからコーディングに入ったが、シナリオ執筆とプログラミングが並行したため制作は進まない。そこでギルバートが用意したのが、C言語に似た**SCUMM(Script Creation Utility for Maniac Mansion)**である。この開発環境はその後のルーカスアーツ作品で広く使われ、1998年に使用が中止されるまで現役だった。

回収、刷り直し、そしてファミコン版の100文字
発売後、パッケージに書かれた“Lust”(性欲)という文言が教育上よくないというクレームを受け、本作はいったん店頭から回収され、パッケージを書き直して並べ直された。
日本には1988年9月13日、ジャレコからファミコン版が出た。セーブはパスワード方式で、記録と再開のために100文字以上を書き留める必要があった。硬貨の名称が10円玉・100円玉に変わり、郵便ポストが追加されるなど生活様式に合わせた改変も入っている。動詞の数はオリジナルの15から12に減らされた。『ファミコン通信』のクロスレビューは40点満点で27点、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では30点満点で18.45点。なお米国版NES移植では、エンドクレジットの“NES SCUMM SYSTEM BY……“が”Scum“(人間のクズ)と読めると任天堂に指摘され、ルーカスフィルム側が説明する一幕もあった。
屋敷の住人たちはその後も顔を出す。1993年の続編『デイ・オブ・ザ・テンタクル』では仲間の一人バーナードが主人公になり、DOS版では作中のパソコンから本作をまるごと遊べる。『ザック・マックラッケン』には隕石の指名手配ポスターが、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』には隕石の破片が置かれ、『Full Throttle』には屋敷の住人四人がバイクギャングとして出演した。ギルバートとウィニックは2017年に『Thimbleweed Park』を発表し、デイブとサンディによく似た人物を登場させている。1990年から1993年にはカナダと米国でコメディTVドラマも放映された。
いま遊べるのか
当時の対応機種はApple II、コモドール64、ファミリーコンピュータ、DOS、Atari ST。現在はSteamでWindows・Mac版が**¥245**で購入できる。レビュー228件で好評88%。
ストア: https://store.steampowered.com/app/529890/
当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる
当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。











