4人の主人公、4つの物語が交差する

『バイオハザード6』は、カプコンが2012年10月2日に発売したサードパーソン・シューター(主人公を背中側から見て操作する銃撃アクション)で、シリーズ本編としては8作目にあたる。プレイヤーが操るのはレオン・S・ケネディ、クリス・レッドフィールド、ジェイク・ミューラー、エイダ・ウォンの4人。世界規模のバイオテロの背後にいる存在を追う4本のキャンペーンが、互いに交差しながら進むという構成を採った。

4本はただの分岐ではなく、それぞれがトーンもゲームプレイも異なる別種の恐怖として設計されている。レオン編は「ゴシックで古典的なバイオハザードらしいホラー」、クリス編は「戦場の恐怖」、ジェイク編は追い回される恐怖、エイダ編は「非常に古典的なバイオハザード」。1本のソフトにホラーの表現を4通り詰め込む、という狙いだった。

『バイオハザード6』の画面

シリーズ最大規模の開発と、「アクションへ」の決断

企画は『5』の発売後すぐに立ち上がり、2009年に本格的な開発へ入った。開発を率いたのは『バイオハザード4』のプロデューサー、ディレクターは『バイオハザード アウトブレイク』シリーズを手がけた人物。開発スタッフは600人を超え、当時のカプコンで最大規模の制作となった。当初の旗印は「究極のホラーエンターテインメント」で、シリーズが好まれている要素を全部載せでバランスさせることが目標だった。

ところが2012年3月、カプコンはサバイバルホラーの市場はバイオハザードには小さすぎるという認識を公にし、ゲームプレイをアクション寄りに振ると表明する。全部載せの方針と、市場を見た舵切り。この二つが同じ一本の中に同居したのが『6』だった。

『バイオハザード6』の画面

賛否は割れ、それでも1500万本

日本での評価は高かった。ファミ通クロスレビューは40点満点中39点でプラチナ殿堂入り、PS3版は通常版が82万1,053本、廉価版が1万1,334本、Xbox 360版が3万7,456本を売り上げた。一方、Metacriticの集計は「賛否両論、または平均的」。グラフィック、AI、操作性、内容の多様性とボリュームは賞賛されたが、銃撃戦やカーチェイスを軸にしたアクション路線はサバイバルホラーからの逸脱だと批判され、肥大化と一貫性の欠如も指摘された。メインシリーズで初めてゲーム評論家から好意的な評価を得られなかった作品と評された。

1UP.comは「『4』から8年経っても、ゲーマーを恐怖に陥れる新たな方法を見つけ出せていない」と書き、Destructoidは「シリーズにとってだけでなく、ありふれた控えめなアクションシューティングゲームにとっても後退」と結んだ。それでも売上は伸び続け、PS3/Xbox 360版が世界1010万本、2016年のPS4/Xbox One版が430万本、2019年のSwitch版が120万本。2025年9月までの累計は1520万本に達している。

残したものは数字だけではない。次作『バイオハザード7 レジデント イービル』は、本作とは対照的にサバイバルホラーの原点へ立ち返る方向を選んだ。『6』に集まった賛否が、シリーズの舵を切り直させた。

いま遊べるのか

当時の対応機種はPlayStation 3(同時にXbox 360でも発売)。その後、Windows版が2013年3月、全ダウンロードコンテンツを収録したPS4/Xbox One版が2016年3月、Nintendo Switch版が2019年10月に出ている。

いまはSteamのWindows版が**¥497**。レビュー71,880件で77%が好評という評価になっている。ストア: https://store.steampowered.com/app/221040/

Biohazard 6 Trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。