街ひとつを30人で共有する、という発想
『グランド・セフト・オート オンライン』は、ロックスター・ノースが開発しロックスター・ゲームスが販売するオンラインマルチプレイのアクションアドベンチャーだ。単体の新作ではなく、2013年の『グランド・セフト・オートV』のオンライン部分として、PS3/Xbox 360版が2013年10月1日に配信された。
舞台は南カリフォルニアをモデルにした架空の州サンアンドレアスと、ロサンゼルスをモデルにした都市ロス・サントス。田園地帯まで含んだこの広い世界を、プレイヤーは最大30人で同時に歩き回り、協力にも対戦にも使える。操る主人公は自分で作った無言のキャラクターで、本編に出てくる面々を含む多数のNPCから仕事を請け、少しずつ犯罪者としての帝国を大きくしていく。物語の時期は本編の数か月前と数年後の両方にまたがり、複数人で任務をこなすことで話が進む構造になっている。

記録の側から語られた作品
本編『GTAV』の発売は、記録の羅列で語られる規模だった。ギネス世界記録は、発売後24時間で最も売れたビデオゲーム、10億ドルの売上を最も早く達成したエンターテインメント作品、ゲームトレーラーの最高視聴回数など7項目にわたる。アナリストの推測では、売上は『スター・ウォーズ エピソード4』や『風と共に去りぬ』の興行収入30億ドルを大きく超える60億ドルに達し、メディアの形態を問わず史上最高額とまで言われた。
累計販売本数は2026年時点で2億3000万本。『マインクラフト』に次ぐ世界2位で、家庭用ゲーム機のみで見れば世界一という見方もある。話題の量も異常で、2015年にはゲームソフトとして世界一の3000万件ツイートを記録し、2019年のYouTube最多視聴ゲーム3位、2021年のTwitch最多視聴ゲームにもなった。同年にはコーネル大学が、機械学習で『GTAV』の映像をフォトリアル化する技術開発に着手すると発表している。

シリーズの時計が止まった
かつてGTAシリーズは毎年から2年に1度のペースで新作を出していた。それが変わる。『GTAオンライン』の課金とプレイヤー数維持が成功し、無料アップデートが続いたことで、『GTAV』以降の新作が出なくなった。開発リソースは『レッド・デッド・リデンプションII』と『グランド・セフト・オートVI』にほぼ集約された。
同時に反発も起きた。ゲーム内の物価のインフレが激しい、世界観が崩壊している、そもそもGTAはオフラインの物語を楽しむものだ——そうした批判が一部のファンから上がった。ロックスター自身、発売前から「オンラインよりストーリー重視のオフラインを優先する」と何度も明言していた会社である。本作は2001年の『GTAIII』以来シリーズを率いたレスリー・ベンジーズの最後の作品となり、彼は未払い問題を提起して退社。ノースの社員も続き、2020年には創設者のダン・ハウザーも去った。ベンジーズらは新会社で、かつてのGTAに近い『エブリウェア』を作っている。
いま遊べるのか
当時の対応機種はPS3とXbox 360。その後PS4/Xbox Oneが2014年11月18日、Windowsが2015年4月14日、PS5/Xbox Series X|Sが2022年3月15日に加わった。PS3/Xbox 360のオンラインは2021年12月16日にサービス終了している。機種間のクロスプラットフォームはなく、人数や機能の差は大きい。
現在購入できるのはSteamのWindows版。**レビュー2,079,734件で好評88%**という数字が付いている(ストアページ、価格は同ページで確認できる)。PC版は2025年にPS5/Xbox Series版と同等の性能へアップグレードされ、MODの使用が一部許可され、家庭用機で規制された表現の検閲もない。いま始めるならこの版が基準になる。
当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる
当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。











