『ARMA 3』は、チェコのBohemia Interactiveが開発したオープンワールドの戦術シューターです。Armaシリーズ本編の3作目にあたります。舞台は2030年代半ば、南地中海に浮かぶ架空の島アルティスとストラティスです。写実的な地形と海が広がる島で、2035年の「アルティス事件」を描きます。米国が率いるNATOと、イランと中国が主導する陣営がぶつかった戦争です。

物語は、シングルプレイと協力プレイのキャンペーンをエピソード形式で進めます。前作までよりユーザーが作るコンテンツに力を入れたのも特徴です。追加コンテンツをSteamワークショップから手軽に入れられる点は、発売当時のレビューでも好評でした。

『ARMA 3』の画面

終末SFの企画が、ギリシャの島で方向を変えた

開発は『Arma 2: Operation Arrowhead』の発売後に始まりました。当初の構想は『Arma Futura』という、文明が崩壊した後の世界を描くSFのスピンオフでした。ジャンルもRPGかリアルタイムストラテジーになる予定でした。

転機になったのは、CEOのMarek Španělが休暇で訪れたギリシャのレムノス島です。舞台はこの島に移り、企画も少しずつシリーズ本来の現実的な戦術シューターへ変わっていきました。完成版に残ったFutura時代の名残は、近未来という設定、社内での作品名、DLC「Contact」の大筋くらいです。

この島選びは、思わぬ事件にもつながりました。2012年9月10日、社員のMartin PezlarとIvan Buchtaが、レムノス島でギリシャ警察に逮捕されたのです。2人はスパイ行為の罪に問われました。島にあるギリシャ軍の施設を撮影・録画し、本作の開発に使おうとした疑いです。ギリシャでは国の安全を守るためにこうした撮影を法律で禁じており、有罪なら最長で懲役20年になるおそれがありました。

『ARMA 3』の画面

「未完成」の声から、博物館の展示へ

Metacriticの評価は74点でした。ゲーム性や物理表現、リアルさはほめられた一方、難しさや初心者への不親切さ、複雑な操作は批判されました。さらに、発売時にキャンペーンが入っていなかったため、「未完成」と評した批評家もいました。それでも島の風景は評価が高く、The Guardianは「ビデオゲームで最も美しい環境トップ10」の一つに選んでいます。

PC Gamerは本作を2013年のシミュレーションゲームに選びました。2014年5月28日には、販売本数が100万本に達したと発表されています。2022年には、帝国戦争博物館(Imperial War Museum)の展示「War Games」でも取り上げられました。学芸員のChris Cooperが評価したのは、リアルさ、サンドボックスならではの自由度、そしてチームで遊ぶうちに戦争やチームワークについて学べる点です。

シリーズはいまも続いています。2022年5月17日に続編『Arma 4』が発表され、発売は2027年の予定です。同じ日に、新エンジンEnfusionを使ったスピンオフ『Arma Reforger』も早期アクセスを始めました。シリーズで初めて、PCとXbox Series X/Sで同時に発売された作品です。

いま遊べるのか

発売当時はWindows版だけで、Steamでのみ配信されていました。その後、2015年8月31日にmacOS版とLinux版が出ています。現在はSteamで**950円(Windows・Mac)**で買えます。レビューは295,271件で、評価は好評90%です。

12 Years Anniversary

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(日本語版・英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。