MODのはずが、続編になった

2010年に『Amnesia: The Dark Descent』を出したFrictional Gamesは、シリーズを続けたかったが手が回らなかった。転機は2011年のGDC Europe。そこで彼らはThe Chinese Roomのダン・ピンチベックと会い、企画が動き出す。最初にThe Chinese Roomが構想していたのは、小さなMODだった。それが「もっと大きなゲームなら何ができるか」を両社が理解したことで、本格的なプロジェクトへと膨らんでいく。

開発は2011年12月にThe Chinese Roomで始まり、Frictional Gamesは製作と販売に回った。前作を作った会社が、自分では作らない続編という形である。舞台は前作と同じ世界だが、登場人物も時代設定も入れ替わっている。

発売日は三度動いた。当初は2012年のハロウィン前。反響の大きさと期待に応えるために2013年初頭へずれ、2013年2月には「2013年第2四半期」と告知された。5月末、Frictional共同創業者のイェンス・ニルソンはフォーラムにこう書く。「第2四半期に間に合わないことは分かっている。いつ完成するかも分かっている。ただ日付はまだ決めていない」。そして**「夏の天気を楽しんで、夏の終わりに豚たちと遊ぶのを楽しみにしていてほしい」**と続けた。ピンチベックの言い分は「Frictionalの流儀は、出来たら出す」。8月にTwitterで9月10日と確定し、16日から予約が始まった。

『Amnesia: A Machine for Pigs』の画面

何が新しく、当時どう受け止められたか

ジャンルはサバイバルホラー。ただし怖がらせる材料が、モンスターや流血だけではない。GameSpotは8/10をつけ、「引き込まれる冒険」としながら「非常に暗く、心をかき乱す作品でもある。気の滅入る現実世界の主題に触れ、モンスターや流血と一緒に心理的な恐怖を配ってくる」と書いた。PC GamerのT.J. Haferは、前作が持っていた「無力感を通して恐怖を描く」という色に本作がさらに絵の具を足したと評し、「溺れる寸前まで頭を水中に押さえつけ、また息を吸わせる。それを何度も繰り返す」と表現している。

評価は割れた。Metacriticでの総評は「賛否両論、あるいは平均的」。Rock, Paper, ShotgunのJim Rossignolは「素晴らしく、おぞましく、心をかき乱す続編」と称賛し、Eurogamerは7/10で「間違いなく満腹にしてくれる」とした。一方でEdgeは**「Frictional Gamesの絶賛された前作のファンのあいだで、意見を二分することになる」**と予告している。Game Informerは「情感のある物語を語れること、雰囲気の滲む環境を作れることを再び証明した」と認めつつ、「手加減されていると感じてしまうと、怖がり続けるのは難しい」と批判した。

DestructoidのJames Stephanie Sterlingの評は、この作品の立ち位置をそのまま言い当てている。「奇妙にねじれた物語を、確かなスタイルで語られたいなら、The Chinese Roomが用意しているものはまさにそれだ」。しかし「叫ばされたいサバイバルホラーの信奉者なら、鼻先は別のところに突っ込んでおいたほうがいい」。同じ作品が、求めるものによって当たりにも外れにもなるという評価だった。

『Amnesia: A Machine for Pigs』の画面

3年後、PS4版が2日で元を取った

2016年11月22日、本作は『Amnesia: The Dark Descent』と拡張『Amnesia: Justine』を含む「Amnesia Collection」の一本としてPlayStation 4に登場する。移植の発売から2日後、Frictional Gamesは移植にかかった費用を全額回収し、「それ以上」を得たとツイートした。批評が割れた作品が、3年後に別の市場で商売として成立したことになる。

いま遊べるのか

2013年9月10日の発売時はWindows向け。2016年11月22日にPlayStation Networkの「Amnesia Collection」としてPS4に加わった。

現在はSteamで**¥460**。対応はWindows・Mac・Linuxの3種類。レビューは12,118件で、**好評率は70%**と、当時の「賛否両論」に近い数字がそのまま残っている。

ストア: https://store.steampowered.com/app/239200/


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。