黄金を追う青年と、銃を捨てた説教師

『Call of Juarez』は、ポーランドのテックランドが開発した西部劇のファーストパーソン・シューター(一人称視点の銃撃ゲーム)だ。主人公は二人いる。ひとりは牧場で働く一攫千金狙いの青年ビリー・キャンドル。「フアレスの黄金」を探してメキシコのフアレスで2年を過ごしたが見つからず、テキサス州の故郷ホープへ帰ってくる。ところが自分の農場に着くと、母と継父が殺されていた。**現場には「Call of Juarez」の文字が残されていた。**もうひとりは、かつてガンマンで、いまは説教師になったレイ・マッコール。プレイヤーはこの二人を交互に操作しながら物語を進めていく。

『Call of Juarez』の画面

第二次大戦とSFで埋まった市場に、西部劇で乗り込む

この企画がE3で最初に発表されたのは2004年5月、当時の名前は『Lawman』だった。2005年3月に『Call of Juarez』へ改名され、同時に中身も作り替えられている。プロデューサーのパヴェウ・ザヴォドニーによれば、当初は「素早く正確に撃つことを軸にした、アクション主導」のアーケード寄りのシューターだったが、単純なアーケード性から離れ、筋書きを重視した「本気で深いシューター」にする方向へ舵を切ったという。

西部劇を選んだ理由もはっきりしている。テックランドは、FPSというジャンルが第二次世界大戦ものとSFものに偏りすぎていると考えていた。目玉に据えたのは決闘で、実在のガンマンと同じように反射神経が勝敗を分ける。**銃は当時の実銃どおりに振る舞い、衣装も動植物も建築も、舞台となった時代と土地に合わせて調べ上げた。**馬が登場する場面のために乗馬の専門家とも組んでいる。物理演算では剛体とラグドール(人体が力なく崩れる表現)だけでなく、他の物理現象も再現するとしていた。

『Call of Juarez』の画面

評価は、二人の主人公の間で割れた

批評家の反応は「賛否が混在、または平均的」だった。Metacriticの集計はPC版が25本のレビューで72点、Xbox 360版が37本で71点。一方でEurogamerのキーロン・ギレンはPC版に10点満点の8点を付け、二人の主人公を交互に切り替える構成を評価して「自分が遊んだ中で最良のカウボーイシューター」と書いた。**「ここ数年のカウボーイゲームの中で、これがいちばん魂を持っていると感じる。誰かが本気で作りたかった作品だ」**というのが結論だった。

割れたのは主人公の出来だ。PALGNのマーク・モローはPC版に7.5点を付け、**レイのレベルを「最高に楽しい」、ビリーのレベルを「完全な退屈」と正反対に評した。**ルーク・ヴァン・ルーヴェレンもXbox 360版で同様に、ビリーの面と一人称視点のアスレチック、鞭の使用を批判し、レイのミッションだけで薦められると書いている。トム・ブラムウェルはXbox 360版に8点を付けつつ鞭を「無駄に扱いづらい」と指摘し、それでも本作が「多くの開発者が見放したFPSの一領域に新しい命を与えた」と評した。

シリーズはここから3本続く。前日譚の『Bound in Blood』、現代を舞台にした『The Cartel』、そして再び西部劇へ戻った『Gunslinger』である。

いま遊べるのか

当時の対応機種はWindowsとXbox 360。Windows版は2006年9月にヨーロッパでFocus Home Interactiveから、10月にオーストラリアでAuran Developmentから、2007年6月に北米でUbisoftから発売された。Xbox 360版はテックランド自身が移植し、2007年6月にUbisoftが世界で発売している。2011年3月にXbox Liveへ、2018年11月にGOG.comへ登場した。

現在はSteamで**¥259**(Windows)。レビュー4,554件で**好評80%**となっている。ストアは https://store.steampowered.com/app/3020/ 。

Call of Juarez Trailer

当時のトレーラーはSteamストアで視聴できる


当時の評価・開発の経緯は、Wikipedia(英語版/CC BY-SA)を参照した。画面写真はSteamストアの公開素材。