市民が「意志」を持つ国家シム『CONQUISTA: Tide of Wills』が発表

株式会社集英社ゲームズは、新作タイトル『CONQUISTA: Tide of Wills』を発表した。開発は株式会社マイクロシミュレーション、パブリッシングを集英社ゲームズが担当し、Steamにて2027年夏の発売を予定している。

ジャンルはコロニーシムと4Xストラテジーを組み合わせたもの。森を切り拓き、資源を集め、家を建てるという開拓の一歩から始まり、やがて集落が一つの国へと育っていく成長構造を持つ。本作は現地時間8月26日から30日にかけてドイツ・ケルンで開催中のgamescom 2026で初の試遊出展を果たしている。

森を切り拓く暮らしから始まる、名前を持つ市民たち

本作最大の特徴は、国を構成する市民の一人ひとりに名前と仕事、そして生活があること。朝起きて働きに出て、市場で買い物をし、酒場で語らう──そんな何気ない日常の積み重ねが、そのまま国の土台になっていく。市場の一角では商人が「穀物を買う時間だ」と呼びかける場面も見られ、経済活動が街の風景として描かれているのが分かる。

麦畑を横切って新天地を目指す市民の一団の姿は、開拓が一度きりのイベントではなく、国が広がり続ける限り繰り返される営みであることを物語る。

畑のそばに建つ喫茶店では「コーヒーはいかが?」と声がかかる場面も。戦略ゲームでありながら、統治の合間に垣間見える生活の温度がしっかり描き込まれている。

集落が国へと育つ、資源と統治のマネジメント

市民が増え、産業が発展していくと、集落は城壁と市場広場を備えた立派な都市へと姿を変えていく。噴水のある広場を中心に住居や工房が整然と並ぶ様子から、コロニーシムとしての作り込みの深さがうかがえる。

実際の管理画面では、農業・資源・工業・サービス施設・軍事施設といったカテゴリーごとに建造物を配置でき、統治コストや必要な労働量、産出物までが数値で細かく管理されている。国家運営の骨格を支えるシステムの厚みが感じられる一枚だ。

噂話が反乱の火種に。市民の「情熱」が国境線を動かす

本作のもう一つの核が「意志」のシステムだ。市民が抱く願いや不満は「情熱」として蓄積され、やがて国政そのものを左右する力を持つ。松明を掲げた市民たちが夜の街に集まる光景は、日常の不満が静かに膨らんでいく緊張感を伝えている。

「あなたと共にいる」「もうここには何も残っていない」「新天地へ」──市民たちがこう語り合う場面は、酒場での噂話が反乱の火種となり、やがて一部の市民が独立して新たな街を築き、国境線そのものが書き換えられていくという、本作ならではのダイナミックな歴史生成を象徴している。

友好国からの贈り物を受け取るかどうかを問う書簡のような外交イベントも用意されており、他国との関係もまた、プレイのたびに異なる展開を生む要素の一つになっている。

探索・貿易、そして戦争──4Xストラテジーとしての顔

コロニーシムとしての生活描写だけでなく、大軍がぶつかり合う戦闘も本作の重要な一面だ。行商人が国境を越えて貿易を行い、探検家が独自の判断で未知の大地を目指すなど、個々の市民の行動が国家規模の物語に発展していく点も4Xストラテジーとしての見どころになっている。

世界地図(大陸)
複数の国家が領土を分け合う大陸マップ
世界地図(島嶼部)
色分けされた国境が入り組む島嶼部のマップ

複数の勢力が色分けされた国境線でひしめき合うマップからは、プレイヤーが築いた国が、他の国家との関係の中でどう姿を変えていくのかという広がりを感じ取れる。

開発は集英社ゲームズ×マイクロシミュレーション

株式会社集英社ゲームズ

株式会社集英社ゲームズ

株式会社集英社ゲームズは2022年2月設立のゲームパブリッシャー。『CONQUISTA: Tide of Wills』では、開発元マイクロシミュレーションが手がける、市民一人ひとりが意志を持つ国家運営シムを世界へ届ける役割を担う。

開発を手がける株式会社マイクロシミュレーションは、本作のディレクターを江夏永広氏が務め、集英社ゲームズ側のプロデューサーを中野颯也氏が担当している。市民一人ひとりを丁寧に描くというコンセプトは、個人開発として始まったプロジェクトが集英社ゲームズの支援のもとで開発チームとして拡大していった経緯とも重なる。

gamescom 2026で先行体験、続報は公式Discordで

『CONQUISTA: Tide of Wills』は、対応言語に日本語・英語・中国語(繁体字・簡体字)を予定しており、価格や発売日の詳細は今後発表される見込みだ。現地時間8月26日から30日まで開催中のgamescom 2026では、来場者が一足先に本作のプレイアブル版に触れられる。

会場に足を運べない場合も、公式Discordではgamescom出展ビルドと同等の内容でのプレイテストが予定されている。最新情報は公式サイトやSteamストアページで確認できる。市民の意志が積み重なって国境線を書き換えていくという、地に足のついた国家運営シムがどんな歴史を生み出すのか、2027年夏の発売に向けて注目しておきたい。