カプコンブースに立つ、青く輝くロックバスター

東京ゲームショウ2026(9月17日~21日、幕張メッセ)のカプコンブースに、「究極の青を追求した1/1スケールロックバスター」が展示されている。主催は大阪府八尾市の会員制施設「みせるばやお」を拠点とするFactorISM実行委員会で、カプコンが協力する形での展示だ。
素材はアルミの無垢材。塗装ではなく金属そのものを削り出し、表面に発色加工を施すことで、ロックマンの象徴である腕の武器「ロックバスター」の実寸大モデルを再現している。
ミクロン単位の削り出しで、丸みを再現する

造形を手がけたのは、大阪・四條畷市の株式会社エムズコーポレーション。設計から造形加工までを一貫して担当し、最新の切削設備でミクロン単位の精度を保ちながら、ロックバスター特有の丸みを帯びた曲面を削り出している。

CAD上で断面や内部構造まで作り込んだ設計データをもとに、現場では熟練の技術者が加工機を操作する。ゲームの中でしか見られなかった武器の形状を、金属の質量として成立させる工程だ。

削り出された直後のアルミ部材は、まだ銀色の地金のまま。ここから先端の丸みや接合部を仕上げていき、ロックバスターらしいシルエットが徐々に立ち上がっていく。


塗装ではなく金属を染める、電研の「究極の青」

削り出した本体に色を与えたのは、大阪市生野区の有限会社電研。アルマイト処理を専門とする企業で、クロムフリーの電解研磨技術を使い、ロックマンの青を忠実に再現する独自色を新たに作り上げた。アルマイトは金属の表面そのものを発色させる技術のため、塗料のように剥がれる心配がないのが特徴だ。

電研が扱う発色サンプルを見ると、青系だけでも複数の色味が並んでおり、そこから「究極の青」と呼べる一色を選び抜いたことがうかがえる。先端部の発射口には金色のアルマイトも使われ、ロックバスターらしい差し色になっている。


きっかけは「Local X STAGE 2025」でのカプコンからの企業賞

今回のコラボレーションが生まれた背景には、地域の課題解決アイデアを競うイベント「Local X STAGE 2025」がある。ここでみせるばやお関連企業のチームがカプコンから企業賞を受賞したことが、今回の展示につながったという。ものづくりの現場とゲーム企業の接点が、実際の製品という形で結実したエピソードだ。
大阪発のオープンファクトリー「FactorISM」

主催のFactorISM実行委員会は、実行委員長を務める株式会社友安製作所を中心に、大阪の町工場を一般に公開するオープンファクトリーイベント「FactorISM(ファクトリズム)」を運営している。FactorISMは2026年は「響く」をテーマに10月22日から25日まで開催予定で、大阪府内18市域・100社超が参加する予定だ。今回のロックバスター展示は、こうした地域のものづくり企業の技術力を、東京ゲームショウという場で示す試みでもある。

株式会社みせるばやお
株式会社みせるばやおによる発表。
実物を見て、削り出しの手触りを確かめたい

ロックマンといえば、シリーズ最新作『ロックマン: デュアル オーバーライド』の発表も記憶に新しいところだが、今回の展示はゲーム本編とは別に、キャラクターの象徴的な武器を実物として作り上げた企画だ。

画面の中の武器が、金属の質感と重みを持った実物として目の前に立つ。東京ゲームショウの会場を訪れる人は、青い輝きだけでなく、曲面の削り出しの精密さにも注目してみてほしい。
編集部








